ドル円は113円台でやや膠着状態。112円割れでは買いも入り底堅い一方、113円台半ばから上方ではドル売り意欲が強く抜け切れない展開。米金利の上昇傾向もドルを下支え。ユーロドルは急伸。ADP雇用者数の結果が悪かったことと、ドイツ連銀総裁が金融緩和縮小に前向きな発言をしたことで1.1425までユーロ高が進む。ユーロ円も一時129円40銭まで買われ、1年5カ月ぶりの高値を記録。

 株式市場は大幅に反落。欧州中銀メンバーによるタカ派発言に債券は売られ、金利が上昇したことが悪材料に。民間雇用統計の下振れも売りを加速し、ダウは158ドル安。他の主要指数も大幅に下落。債券相場は反落。欧州債に引っ張られたことに加え、低調なADP雇用者数も売り材料に。長期金利は2.36%台まで上昇し、ドル円の下支えに。金は小幅ながら続伸。原油も反発。


新規失業保険申請件数    →  24.8万件

6月ADP雇用者数     →  15.8万人

5月貿易収支        →  -465億ドル

6月ISM非製造業景況指数 →  57.4

ドル/円113.04~ 113.42

ユーロ/ドル1.1379~ 1.1425

ユーロ/円  128.79~ 129.40

NYダウ  -158.13 → 21,320.04

GOLD  +1.60 →1,223.30ドル 

WTI +0.39 → 45.52ドル  

米10年国債  +0.043 → 2.366%


本日の注目イベント

中   中国 6月外貨準備高
独   独5月鉱工業生産
英   英5月鉱工業生産
英   英5月貿易収支
米   6月雇用統計
独   G20(ハンブルグ、8日まで)
米   FRB、半期に一度の金融政策報告
加   カナダ6月就業者数
加   カナダ6月失業率


 前日1.13台前半まで売られたユーロドルは急反発し、再び1.14台に乗せて来ました。ECBによる金融緩和縮小に関する情報には非常に反応しやすい状況が続いていますが、この日の動きもまさにその通りでした。ECB政策委員会メンバーのバイトマン・ドイツ連銀総裁は「景気回復の持続が金融政策正常化の展望を開く」と述べ、タイミングとペースは「インフレ持続性次第」と述べると、ユーロは上げ足を強め1.1425までユーロ高が進みました。

 ドル売りユーロ買いが進んだことで、通常はドル円でもドル売り円買いが進み、円高方向に振れるのが一般的ですが、この日は米長期金利の上昇がドル円の下落を抑える格好となり、ドル円は113円台を維持。その結果、ユーロ円は1年5カ月ぶりとなる129円40銭まで上昇しています。

 6月のADP雇用者数は、市場予想の18万人に対して15.8万人でした。5月の同指数は予想を大きく上回り、雇用統計本番への期待を膨らました経緯がありましたが、今回はその逆のようです。ただ穿った見方をすれば、もし逆だとすれば本日の雇用統計の雇用者予想18万人が上振れすることにもなりますが、果たしてどうでしょう。

 短期的な動きを表す「1時間足」チャートでは、ドル円は「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成していると観ることができます。この形状の『ネックライン』は112円75-85銭辺りにあり、ここが今のところサポートゾーンとなりドルの下落を支えていると見られます。113円を割りこむと直ぐに反発し113円台に戻る展開が続いている一つの要因とみることができそうです。

 もう一つ考えられるのが米10年債利回りの上昇傾向です。先月には2.14%台まで低下した米10年債は、昨日2.36%台まで上昇しました。ドル円と米長期金利との関連性が高いことはこの欄で何度も述べてきましたが、昨日の米長期債の下落は、ドイツ国債など欧州債が売られ金利が上昇したことの影響を受けたようです。

 これらがドル円にとってはサポート材料になってはいますが一方で、北朝鮮リスクが徐々に高まっているのも事実です。トランプ大統領の口調も徐々に強いものに変わり、 米国国連大使も「武力行使もあり得る」ことを安保理の席で示唆しています。本日からドイツで開催されるG20でもこの問題が話し合われる予定ですが今週発射した「ICBM」が米国の言う「越えてはならない一線」なのかどうか注意が必要です。

 本日は日本株も軟調に推移すると見ていますが、113円を割り込んだ際これまで通り反発する力があるのかどうか見ていきたいと思います。本日は雇用統計もあることで、レンジは112円20銭~113円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)