ドル円は良好な経済指標に反応し112円60銭まで上昇したが、PCE・コアデフレーターが+1.4%に留まったことで反落する場面も。それでも長期金利の上昇が支えとなり112円40銭近辺まで戻して越週。ユーロドルは堅調ながらも前日記録した高値には届かず。1.1428までユーロ高が進んだが上昇は一服。

 株式市場は上昇。工業や消費財が上昇を牽引。ダウは62ドル上昇したものの、ナスダックは小幅に下落。債券相場は長期債を中心に下落。10年債利回りはさらに上昇し、約1カ月半ぶりに2.3%台に乗せる。金は売られ、原油価格は続伸。


5月個人所得                →  +0.4%

5月個人支出                →  +0.1%

5月PCE・コアデフレータ ―       →  +1.4%

6月シカゴ購買部協会景気指数        →  65.7

6月ミシガン大学消費者マインド(確定値)  →  95.1

ドル/円111.86~ 112.60

ユーロ/ドル1.1396~ 1.1428

ユーロ/円127.67~ 128.60

NYダウ  +62.60 → 21,349.63

GOLD  -3.50 →1,242.30ドル 

WTI  +1.40 → 46.33ドル  

米10年国債  +0.037 → 2.304%


本日の注目イベント

豪  豪5月住宅建設許可件数
日  12月日銀短観
中  中国 6月財新製造業PMI
欧  ユーロ圏6月製造業PMI(改定値)
欧  ユーロ圏5月失業率
英  英6月製造業PMI
米  6月ISM製造業景況指数
米  6月自動車販売台数
米  株式・債券は短縮取引
米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演


 米長期金利が2.3%台まで上昇し、ドル円を下支えする展開が続いています。長期金利は先月には一時2.13%台まで低下傾向が続いていましたが、どうやら底を打ち、上昇傾向が鮮明になってきたように思います。ただ、ドル円がこの先115円に向かうには、長期金利は2.5%程度まで上昇することは不可欠で、その先の「2.6%の壁」を抜けるかどうかが、長い目で見たドル円の行方には重要なポイントになってくると思われます。

 先週末のNY市場では、シカゴ購買部協会景況指数などが予想を上回り、ドルの上昇を促しましたが、PCE・コアデフレーターが前年比+1.4%と年初の+1.8%と比べると上昇力が鈍化していることが見られました。FRBはこの指標のメドを+2%としていることから、発表後ドルが売られる場面もありました。

 それでも110-112円のレンジの上限を試す流れは変わっていません。先週木曜日には112円98銭までドル高が進み、113円には届かなかったものの、ECBが年内にも金融緩和政策の変更を決めるとの見方も強まり、日米欧の中銀の中では日銀だけが依然として緩和策から脱却できない状況が想定されます。その結果、中銀の金融政策の差に着目した「円売り」がさらに強まる可能性もありそうです。

 昨日の都議会選挙で、都民ファーストが圧勝し、自民党が議席を半分以上も失う大敗をきっしました。早朝のオセアニア市場では、ドル円は一時112円を割り込み、111円91銭まで円高が進む場面もありました。都議選の大敗は安倍首相への不信任ということになり、「アベノミクス」の終焉にもつながることから、円が買われドルが売られたということかと思います。

 ドル円はその後112円30銭台まで値を戻していますが、目先は円高に振れる可能性はありますが、安倍政権もこのままでいるとも考えられず、場合によっては「景気刺激策」などを出してくることも考えられます。また「減税」など、今回の都議選が国政レベルに影響することを阻止する政策も十分考えられ、これらの政策が円売りにつながる可能性もあります。

 この流れが国政レベルにまで届くのかどうかは不明ですが、東京都民が「安倍一強」に一石を投じたことは事実で、来月末までに行われると予想される「内閣改造」で、どこまで信頼を取り戻せることができるのか、見ていきたいと思います。

 本日のドル円の予想レンジは111円60銭~112円70銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)