ドル円は順調に上昇を続け、NY市場では112円92銭までドル高が進んだがそこから急落。株価の大幅安と長期金利が上昇した後、徐々に低下してきたことで利益確定のドル売りに押された。ドル円は111円81銭まで売られ、112円台に戻して引ける。

 ユーロドルはドイツの消費者物価指数(CPI)が伸びたことからユーロ買いが強まり、1.1445まで上昇。CPIの伸びがECBによる金融緩和縮小を早めるとの連想につながった。

 株式市場は大幅に反落。テクノロジー株が売り浴びせられ、ダウは前日の上昇分を吐き出す167ドル安。ただ、金融株はストレステストを無事通過したことで逆行高。債券相場は朝方には売られたものの、午後にはやや切り返す。引けは小幅安で、長期金利も2.26%台へと小幅に上昇。金は反落。原油価格は在庫の減少を手掛かりに6日続伸。


新規失業保険申請件数  →  24.4万件

1-3月GDP(確定値)   →  +1.4%

ドル/円111.81~ 112.92

ユーロ/ドル1.1388~ 1.1445

ユーロ/円127.87~ 128.82

NYダウ  -167.58 → 21,287.03

GOLD  -3.30 →1,245.80ドル 

WTI  +0.19 → 44.93ドル  

米10年国債  +0.039 → 2.267%


本日の注目イベント

日  5月失業率
日  5月消費者物価指数
日  5月鉱工業生産
中  中国6月製造業PMI(速報値)
中  中国6月非製造業PMI(速報値)
独  独6月雇用統計
欧  ユーロ圏6月消費者物価指数(速報値)
英  英1-3月期経常収支
英  英1-3月期GDP(改定値)
米  5月個人所得
米  5月個人支出
米  5月PCEコアデフレータ
米  6月シカゴ購買部協会景気指数
米  6月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
加  カナダ4月GDP


 ドル円はいつものように東京タイムでは上値が重かったものの、海外市場に入るとドル買いが強まり順調に上昇し、112円92銭までドル高が進みました。しかしその後ドルは急落し、驚くほど下落スピードも速く112円を割り込む水準までドル安が進みました。それほど明確なドル売り材料があったわけではなかったものの、上値から1円以上売られ、まさに「下げスピードは上昇スピードよりもはるかに速い」ことを見せつけられた印象です。ダウが167ドル下げるなど、米株式市場が大幅安となり、10年債利回りも一時2.28%台まで上昇した後低下してきたことをその理由としていますが、やや説得力に欠けます。113円台に届かなかったことで、利益確定の売りが引き金を引いたというところでしょうか。

 ドル円は高値をつけた後111円81銭まで売られ、上昇トレンドを示すチャートも崩れかけましたが、ひとまず「1時間足」の120時間線では下げ止まっています。「日足」では120日線をしっかりと上抜けしましたが、先週から続いたドル上昇にひとまず利益を確定する動きが出たと見られます。昨日の高値からの急落で、ここから再び113円に向かうには時間が必要かと思われます。再び113円に近付く水準ではドル売りが集まりやすくなると見られますが、ドル円を見る上では極めて重要な米長期金利は2.26%台で引けており、ここから判断すれば、ドルの大幅な下げは見込みにくいと言えます。

 米長期金利は先週2.13%台まで低下しましたが、そこから切り替えし昨日は一時2.28%台まで上昇する局面もありました。ECBの金融緩和縮小観測を背景に、ドイツ国債の利回りの上昇に引っ張られた面もありますが、今後も米金利が緩やかに上昇していくと想定すれば、ドル円も緩やかにドル高が進むと考えるのも無理ではないと思われます。

 それでも昨日の動きを見ると、米株式市場のボラティリティの高さは気になるところです。ハイテク株などは買われすぎとの指摘もある中、ダウなどの指数は高値でのもみ合いを続けている状況です。ダウが再び2万1000ドルを割り込むようだと、ドル円もこちらに引っ張られ110円方向に舵を切り直すことも考えられます。株価の恐怖度を示す「VIX指数」も昨日は「11」近辺と、まだ危険水域の「20」からは低位ですが、最近にしては高水準に振れて来ました。注意したいところです。

 本日の予想レンジは111円50銭~112円50銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)