アスカネット <2438> (東マ)は遺影写真加工関連や写真集制作関連を主力としている。18年4月期はエアリアルイメージング(AI)事業の展示会出展費用や量産化技術開発費の増加などで微減益予想だが、AI量産化に向けた期待は強く、人工知能搭載ソーシャルロボット「unibo」関連としても注目される。株価は上値を切り下げる形だが調整一巡して反発が期待される。
 
■写真加工関連を主力として新規事業AIも育成
 
 葬儀社・写真館向け遺影写真合成・加工関連のメモリアルデザインサービス(MDS)事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集制作関連のパーソナルパブリッシングサービス(PPS)事業を主力として、空中結像技術を用いた新規事業のエアリアルイメージング(AI)事業も推進している。17年4月期売上高構成比はMDS事業45%、PPS事業54%、AI事業1%だった。
 
■MDS事業とPPS事業は安定収益源
 
 MDS事業は全国の葬儀社や写真館との間にネットワークを構築し、葬儀に使用する遺影写真のデジタル加工サービスを提供している。操作不要のフルリモートコントロール方法で、約2300ヶ所の葬儀社などBtoB中心に年間約34万枚の写真画像を提供している。収益は加工オペレーション収入、サプライ品売上、ハード機器類売上などである。
 なお6月20日には、ご遺族のための新WEBサービス「tsunagoo(つなぐ)」を開発したと発表している。ご遺族様から会葬者へ訃報をスマホで配信し、共有画面から供物発注まで可能となる。そして6月26日~27日開催の「フューネラルビジネスフェア2017」で初紹介した。
 
 PPS事業は「一冊からの本格的写真集」を、インターネットを活用して受注・製作するサービスを提供している。約3900社の写真館向け(BtoB)や一般コンシューマー向け(BtoC)に年間約38万冊(OEM除く)の写真集を提供している。高度なカラーマネジメント技術やオンデマンド印刷制御技術などが強みである。
 
 15年5月にはNTTドコモ <9437> 「フォトコレクションプラス」向けにフォトブックおよびプリント商品の独占OEM供給を開始した。また17年5月には自社フォトブック製作累計が業務用途を含めて500万冊を突破した。
 
 MDS事業は葬儀関連、PPS事業はウエディング・卒業・入学イベント関連などが主力市場であり、景気変動の影響を受けにくい安定収益源である。また第3四半期および第4四半期の構成比が高い特性がある。配当の基本方針は配当性向30%を目安としている。
 
■空中結像AIプレート事業は製品化に向けて着実に進展
 
 AI事業は空中結像技術を用いて新しい映像画像の表現方法を提唱している。AIプレートは画像映像を表す光を特殊なパネルを通過させることによって反対側の空中に映像を結像する新技術である。AIプレートだけで空中ディスプレイが可能となるシンプルな構造を特色として、サイネージ、車載、医療、操作パネル、飲食、アミューズメントなど、多方面の業界・業種から注目されている。
 
 16年2月インセル型液晶パネルとAIプレートを活用した「非接触入力装置および方法」特許を取得し、16年3月パイオニア <6773> が保有する空中表示技術に関する特許権(特許出願中を含む)を取得した。
 
 海外市場も開拓する方針を打ち出し、17年3月には海外展示会出展内容確定と海外向け専用ウェブサイトオープンをリリースした。海外向けブランドは「ASKA3D」で、販売するプレート製品名は「ASKA3D-Plate」とした。
 
 独自技術を強固にするための特許申請を進めるとともに、将来的には自ら立体映像を空中に創出する技術の確立も目指している。そして基本技術を確立し、試作品の販売を進めながら、低コストと大量生産を可能にする本格量産技術(ファブレス形態で製造して自社ブランドで販売)の確立に取り組んでいる。
 
 AIプレート量産については、ガラス素材による量産と樹脂素材による量産に分けられ、それぞれ複数の協力会社と取り組んでいる。ガラス素材プレートはコストおよび量産性が相対的に劣るものの、結像品質は相対的に優れている。樹脂素材プレートはコストおよび量産性が相対的に優れており、結像品質は想定的に劣る。両素材に一長一短があるため、並行して量産技術の確立に挑んでいる。
 
 ガラス素材プレートについては量産技術を確立し、品質の安定・向上、歩留まりの向上への改善を進めている。樹脂素材プレートについては試作品の製造手法とは全く異なる新しい方法にトライし、17年5月には新製法による量産確立に優先的に取り組む方針を明らかにした。
 
 なお当社が想定している第一段階の量産は、リスク等を考慮して現有の設備やラインを最大限に活用することを前提としており、いきなり大規模・大ロットの量産を指向していない。複数の製造方法のうち最も優れた方法が明確になった時点で、専用ラインの立ち上げなどにより多量の量産が可能な体制を段階的に構築する方針としている。
 
 またAIプレートは素材であり、AIプレート供給先がAIプレートを活用して商品化することが量産の前提となる。したがってAIプレート供給先の実際の商品化までは一定の時間を要する可能性がある。このため当面は小ロット案件を中心に確実に案件を積み重ね、その後の大ロット案件に繋げたいとしている。
 
■ユニロボットに出資して資本業務提携
 
 17年2月人工知能搭載ソーシャルロボット「unibo」を開発・製造・販売するユニロボットに出資して資本業務提携した。人との会話を重ねることによって、その人の個性を学習していくという真のパートナーロボットとして期待されている。
 
■17年4月期増収増益
 
 前期(17年4月期)非連結業績は売上高が前々期(16年4月期)比5.1%増の54億38百万円、営業利益が同3.6%増の8億円、経常利益が同3.6%増の8億04百万円、純利益が同4.6%増の5億72百万円だった。
 
 売上面ではAI事業が計画を下回ったが、MDS事業およびPPS事業が計画を上回り全体として増収だった。利益面ではAI事業において海外展示会への出展費用や研究開発費が増加したが、PPS事業におけるOEM生産の稼働率上昇効果などで各利益とも増益だった。売上総利益は同6.5%増加し、売上総利益率は51.7%で同0.6ポイント上昇した。販管費は同7.7%増加し、販管費比率は37.0%で同0.9ポイント上昇した。
 
 ROEは13.0%で同0.6ポイント低下した。自己資本比率は86.3%で同0.5ポイント低下した。配当は前々期と同額の年間10円(期末一括)とした。配当性向は29.3%である。
 
 セグメント別(連結調整前)に見るとMDS事業は売上高が同4.1%増の24億27百万円で営業利益が同4.2%増の7億96百万円だった。遺影写真加工収入は第1四半期にやや苦戦したが、第2四半期以降に回復傾向となり、動画やサイネージなどの葬儀演出ツールも伸長した。利益面では画像処理オペレーションの効率化も寄与した。
 
 PPS事業は売上高が同6.1%増の29億51百万円で営業利益が同21.1%増の6億57百万円だった。BtoC関連は価格競争激化などで苦戦したが、BtoB関連のプロフェッショナル写真家向けが順調に推移し、OEM供給も伸長した。利益面ではOEM生産の稼働率上昇も寄与した。
 
 AI事業は売上高が同3.8%増の60百万円で営業利益が1億83百万円の赤字(前々期は88百万円の赤字)だった。売上面では小ロットのサンプル販売にとどまり、費用面では展示会出展関連費用、量産に向けた研究開発費、特許申請関連費用が増加した。
 
 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期12億30百万円、第2四半期12億75百万円、第3四半期15億24百万円、第4四半期14億09百万円、営業利益は1億35百万円、1億77百万円、3億37百万円、1億51百万円だった。
 
■18年4月期はAI事業の費用増加で微減益予想
 
 今期(18年4月期)の非連結業績予想(6月9日公表)は売上高が前期(17年4月期)比4.7%増の56億96百万円、営業利益が同3.7%減の7億71百万円、経常利益が同3.6%減の7億76百万円、純利益が同5.5%減の5億41百万円としている。
 
 売上面では3事業とも増収見込みだが、利益面ではAI事業における展示会出展費用や量産化技術開発費の増加、PPS事業における生産設備および人員の増強などで微減益予想としている。AI事業では3ヶ所の海外展示会や2ヶ所の国内展示会への出展を計画している。配当予想は前期と同額の年間10円(期末一括)としている。予想配当性向は31.0%となる。
 
 セグメント別売上高の計画は、MDS事業が同3.7%増の25億16百万円、PPS事業が同2.3%増の30億20百万円、AI事業が同2.6倍の1億60百万円としている。MDS事業は遺影写真加工収入の着実な積み上げや葬儀演出ツールの伸長、PPS事業はOEMの伸長を見込み、AI事業は中ロット案件の積み重ねに注力する。
 
■株主優待制度は毎年4月末に実施
 
 株主優待制度は毎年4月30日現在の株主に対して、所有株式数に応じて自社サービス(マイブック)割引利用券を贈呈している。100株以上400株未満所有株主に対して1000円割引利用券1枚、400株以上2000株未満所有株主に対して1000円割引利用券2枚、2000株以上所有株主に対して1000円割引利用券3枚を贈呈する。
 
■株価は調整一巡して反発期待
 
 株価の動きを見ると、3月の年初来高値2514円から反落して上値を切り下げる形だが、1800円近辺で下げ渋る動きとなり調整一巡感を強めている。
 
 6月28日の終値1786円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS32円31銭で算出)は55倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は0.6%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS274円56銭で算出)は6.5倍近辺である。時価総額は約312億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。調整一巡して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)(イメージ写真提供:123RF)