マーキュリアインベストメント <7190> (東2)はファンド運用事業および自己投資事業を展開している。17年12月期は第1四半期に成功報酬を計上した。そして通期も大幅増収増益・増配予想である。株価は戻り高値圏から一旦反落したが、自律調整が一巡し、好業績を評価して2月の上場来高値を目指す展開が期待される。
 
■ファンド運用事業および自己投資事業を展開
 
 国内外投資家の資金を投資事業組合等のファンドを通じて運用するファンド運用事業、および自己資金を運用する自己投資事業を展開している。
 
 05年10月日本政策投資銀行(DBJ)と現あすかアセットマネジメントの合弁会社としてあすかDBJパートナーズ設立、13年1月ADキャピタルに商号変更、15年5月伊藤忠商事に第三者割当増資、15年12月三井住友信託銀行に第三者割当増資、16年1月現マーキュリアインベストメントに商号変更、16年10月東証2部に新規上場した。
 
 05年10月あすかDBJ投資事業有限責任組合(1号ファンド)を組成、13年8月ADC Fund 2013(2号ファンド)を組成、16年8月マーキュリア日本産業成長支援投資事業有限責任組合(3号ファンド)を組成した。1号ファンドの投資先であるライフネット生命保険は12年4月東証マザーズに上場した。また香港の子会社Spring Asset Management Limitedが管理・運営するSpring REITは13年12月香港証券取引所に上場した。
 
■クロスボーダーを基本コンセプトとして成長分野中心に投資・運用
 
 投資先の企業価値向上を通じて投資家に対するリターンの最大化を実現するべく取り組んでいるが、決して短期的な利益を追求せず、クロスボーダーを基本コンセプトとして成長性や収益性に着目し、世界に広がる成長分野での有望な投資対象の発掘や成長可能性に対する投資を中心に、成長投資戦略、バリュー投資戦略、バイアウト・承継投資戦略、不動産投資戦略、キャッシュ・フロー投資戦略などに基づく運用を行っている。
 
 成長投資戦略、バリュー投資戦略、バイアウト・承継投資戦略は、成長ステージや承継ステージに位置する企業などのエクイティ・ホルダーとなり、経営陣とともに事業成長や将来を考えた企業価値向上を図ることで、投資家のリターンを高める。
 
 不動産、航空機リース、インフラファンドなどのキャッシュ・フロー投資戦略は、物が使用される対価として支払われるキャッシュ・フローに着目し、それを確実に受け取ることができる金融商品とすることで、投資家に安定的なリターンを提供する。
 
 投資先の発掘に関しては独自のネットワークに加えて、国内外で広いネットワークを有し、また主要株主でもある日本政策投資銀行、伊藤忠商事、および三井住友信託銀行とのアライアンスで、多様な収益機会を捕捉している。
 
 16年12月期末の運用資産残高は、成長投資戦略245億円、バリュー投資戦略12億円、バイアウト投資戦略32億円、不動産投資戦略/キャッシュ・フロー投資戦略1510億円、合計1799億円である。
 
■収益はファンド運用事業の成功報酬によって変動する特性
 
 ファンド運用事業の収益は、ファンド管理運営業務の対価として運用資産残高と報酬料率に応じて受け取る管理報酬、および運用実績の良否によって変動する成功報酬である。自己投資事業の収益は、当社が管理運営を行うファンドへの自己投資に伴う持分損益の取り込み、および直接投資対象からの配当金・売却益である。
 
 営業収益(売上高)はファンド運用事業の成功報酬によって変動する特性が強い。16年12月期の売上高構成比はファンド運用事業77%、自己投資事業23%である。また16年12月期のファンド運用事業の報酬合計19.3億円の内訳は管理報酬が15.6億円、成功報酬が3.7億円で、投資戦略別には成長投資戦略が4.6億円、バリュー投資戦略が0.9億円、バイアウト投資戦略が4.0億円、不動産投資戦略/キャッシュ・フロー投資戦略が9.7億円である。
 
 なお16年12月期売上高25.2億円のうち、香港証券取引所に上場しているSpring REITからの収益が約37%を占めているため、Spring REITへの依存度を下げて収益基盤を拡大することが課題として、16年8月にバイアウト・承継投資戦略ファンドのマーキュリア日本産業成長支援投資事業有限責任組合(3号ファンド)を組成している。
 
■17年12月期大幅増収増益予想、第1四半期に成功報酬を計上して順調
 
 今期(17年12月期)通期の連結業績予想(3月17日公表)は、売上高が前期(16年12月期)比23.0%増の31億円、営業利益が同17.2%増の15億円、経常利益が同16.2%増の14億50百万円、純利益が同23.0%増の10億50百万円としている。
 
 第1四半期(1月~3月)は売上高が21億20百万円、営業利益が13億11百万円、経常利益が13億01百万円、純利益が8億98百万円だった。売上高の内訳はファンド運用事業の管理報酬が3億70百万円、成功報酬が14億69百万円、自己投資・その他が2億81百万円だった。国内不動産を投資対象としたPJ Sweepの売却による成功報酬を計上した。
 
 そして通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高68%、営業利益87%、経常利益90%、純利益86%である。今後の成功報酬の計上は未定だが、通期ベースでも好業績が期待される。
 
 なお配当予想は未定としている。16年12月期の配当は年間45円(期末一括)で連結配当性向は21.3%だった。
 
 利益還元については配当を基本として、配当性向30%程度を目安とするが、成功報酬等による損益への影響が大きいため、単年度損益の影響を抑制し、配当の安定性を高めるために、当面は対象利益指標を修正当期純利益(5年平均の親会社株主に帰属する当期純利益、13年12月期以前は未監査のため除く)を目安とする。そして今後は当期純利益の成長を通して配当水準を引き上げることを目指すとしている。
 
■今後の戦略
 
 今後の戦略として、新ファンド立ち上げ、ファンドにおける新規投資の実行、成功報酬の最大化を推進する。そして事業内容についてのIR(投資家向け広報)の充実も強化する。
 
 新ファンドでは、17年12月期にキャッシュ・フロー投資戦略の航空機リースファンドを設立予定である。設立後1年間でファンドサイズ100億円獲得を目指す。また不動産投資戦略/キャッシュ・フロー投資戦略の事業用不動産ファンド、インフラファンド、再生可能エネルギー関連ファンドなど、安定したキャッシュ・フローを投資家に還元できる新ファンドの組成も目指す。
 
 なお事業用不動産ファンドでは、香港Spring REITが、伊藤忠商事の子会社で英国最大のタイヤサービスチェーンのKwik-Fit社が賃借して営業中の84の商業施設を組み入れることが決定(17年8月1日までに実行予定、資産評価額は約106億円)している。
 
 ファンドにおける新規投資の実行では、16年8月組成のマーキュリア日本産業成長支援投資事業有限責任組合が、既に2件の投資を実行した。
 
 成功報酬の最大化では、第1四半期にPJ SweepをExitしたが、05年10月組成したあすかDBJ投資事業有限責任組合(1号ファンド)も満期が近づいているため、投資案件のExitを進め、成功報酬の最大化を目指す。
 
■株価は自律調整一巡、好業績を評価して2月の上場来高値目指す
 
 株価の動きを見ると、5月~6月の戻り高値圏1800円近辺から利益確定売りで一旦反落したが、1500円近辺で自律調整一巡感を強めている。
 
 6月28日の終値1540円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS76円55銭で算出)は20倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS363円32銭で算出)は4.2倍近辺である。時価総額は約211億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、13週移動平均線が下値を支える形だ。自律調整が一巡し、好業績を評価して2月の上場来高値2259円を目指す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)(イメージ写真提供:123RF)