東京市場では上値の重かったドル円は、NY市場では再び上昇し112円36銭まで買われる。長期金利が続伸したことが材料となったが、前日ほどのにぎわいは無かった。ユーロドルはさらに上昇し、1.1391までユーロ高が進む。ドラギ総裁がユーロ高をけん制する発言もあったが、ユーロの先高感は変わらず。ユーロ円も127円85銭まで上昇。株式市場は揃って反発。原油価格が落ち着きを取り戻したことでエネルギー株やテクノロジー株が上昇。ダウは143ドル買われ2万1400ドル台を回復。債券相場は続落。特段材料は無かったものの、欧州債の動きがネガティブだったことで売りが優勢に。長期金利は2.22%台まで上昇。金は続伸。原油価格も下値不安が後退したことから小幅ながら5日続伸。

5月中古住宅販売成約指数  → -0.8%

ドル/円111.92~ 112.36

ユーロ/ドル1.1290~ 1.1391

ユーロ/円126.48~ 127.85

NYダウ  +143.95 → 21,454.61

GOLD  +2.20 →1,249.10ドル 

WTI  +0.50 → 44.74ドル  

米10年国債  +0.023 → 2.228%


本日の注目イベント

独  独6月消費者物価指数(速報値)
欧  ユーロ圏6月景況感指数
英  英5月消費者信用残高
米  新規失業保険申請件数
米  1-3月GDP(確定値)
米  米韓首脳会議
米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演(ロンドン)
                   
 やはりドル円は東京時間では上値が重く、昨日はジリ安の展開となり、夕方欧州市場が参入した頃には、111円83銭近辺までドルが売られる場面もありました。市場参加者の相場観はまだ変わっておらず、「このままドルが大きく上昇する可能性は低い」といった見方は変えていないようです。そのためドルがある程度上昇した際には、確実に売り予約を持ち込むスタンスかと思われます。多くの輸出企業の「社内レート」が105-110円に設定されていることも、この水準ではドル売りが集まり易い理由にもなっています。

 それでもNY市場では再びドルが上昇し、今朝も112円台前半で戻って来ています。米長期金利が2.22%台まで上昇したことや株価が大きく反発したことを手掛かりに112円36銭までドル高が進みましたが、前日のドルの高値である112円46銭を抜いていません。

 気になるのは、円は対ドルだけではなく、昨日はポンドやキャンドルに対しても売られる展開で、円の全面安という点です。昨日も述べましたが、日米欧の中銀の金融政策の差に注目する動きが増して来たように思われます。昨日はこれに加え、イングランド銀行のカーニー総裁が近く利上げを開始することが必要になるかもしれないとの認識を示し、これがポンド円を押し上げ145円台半ばまで上昇し、約1カ月ぶりの高値をつけています。

 またカナダ中銀のポロズ総裁も利上げを検討する可能性を改めて示唆し、カナダ円の上昇につながりました。米欧に加え、イギリスとカナダが利上げへと金融政策の舵を切る状況になって来た一方、日銀は依然として金融緩和の手綱を緩めていません。実際には、年80兆円の国債購入をメドとしているものの、購入額が60兆円程度と減少していることから「実質的には金融緩和の縮小」を行っているとの見方はありますが、日銀は依然として「出口戦略の話は時期尚早」とのスタンスを維持しています。

 米国以外は実際にはまだ金融政策の変更には踏み切っていませんが、市場は既に先を読んで動き始めているようにも見えます。いずれここに、オーストラリアやNZが加わることも予想され、主要通貨の中で円だけが蚊帳の外という事体もないとは言えません。

 本日は昨日下げた日本株が反発すると予想していますが、その動きに伴ってドル円がどこまで上値を追えるかが注目されます。112円~112円30銭のゾーンでは昨日既にドルを売り終えていると思え、112円50銭前後から上値を試せるかどうかというところです。クロス円でも円安傾向が続き、これがドル円の下値をサポートすることも考えられます。明確なドル高トレンドの入り口に立っている状況と見ていますが、このまま順調に前に進んで行けるのかどうか、重要な岐路に差し掛かっているとも言えます。予想レンジは111円80銭~112円80銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)