星光PMC <4963> は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが、増額の可能性がありそうだ。株価は徐々に水準を切り上げて戻り歩調だ。3月の年初来高値を試す展開が期待される。
 
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開
 
 DIC <4631> の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業社の株式32%を取得して持分法適用関連会社化した。
 
 中期成長に向けて高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。
 
 16年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%である。利益配分については経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。
 
■次世代素材CNFの事業化推進
 
 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。
 
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。
 
 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。
 
■17年12月期第1四半期は大幅増益
 
 今期(17年12月期)第1四半期(1月~3月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.5%減の58億58百万円、営業利益が同22.9%増の6億11百万円、経常利益が同38.4%増の6億88百万円、純利益が同17.1%増の5億45百万円だった。
 
 販売価格下落で減収だが、国内外におけるコスト削減・合理化効果、プロダクトミックス改善効果などで大幅増益だった。売上総利益は同8.4%増加し、売上総利益率は29.2%で同2.7ポイント上昇した。販管費は同1.7%増加し、販管費比率は18.8%で同0.6ポイント上昇した。
 
 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同0.5%減の36億74百万円で営業利益(連結調整前)が同5.8%増の4億33百万円だった。需要伸び悩みや販売価格下落で減収だが、国内外におけるコスト削減・合理化効果で増益だった。
 
 印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同4.9%減の12億36百万円で営業利益が同2.8倍の1億09百万円だった。記録材料用樹脂は増収だが、印刷インキ用樹脂が減収だった。利益面では、国内販売のプロダクトミックス改善効果やコスト削減・合理化効果が寄与して、大幅増益だった。
 
 化成品事業は売上高が同1.0%減の9億47百万円で営業利益が同11.4%増の1億65百万円だった。輸出売上が減少したが、コスト削減・合理化効果で増益だった。
 
■17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが増額の可能性
 
 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比1.3%増の246億70百万円、営業利益が同17.4%減の19億円、経常利益が同15.3%減の19億60百万円、純利益が同14.7%減の15億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は23.8%となる。
 
 販売数量増加で増収だが、原料価格上昇や経費増加などで減益予想としている。為替レートは1ドル=115円、ナフサ価格は4万2000円(16年12月期実績は為替1ドル=109円、ナフサ価格3万2800円)を前提としている。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加4億20百万円、減益要因がコストアップ3億45百万円、製造経費増加1億33百万円、研究開発費など販管費増加3億43百万円としている。
 
 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.7%増の159億01百万円で営業利益(連結調整前)が同4.3%減の18億13百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同1.7%減の50億82百万円で営業利益が同54.5%減の1億41百万円、化成品事業の売上高が同0.1%減の36億87百万円で営業利益が同18.0%減の4億07百万円としている。
 
 第1四半期の進捗率は、第2四半期累予想に対して売上高が49.0%、営業利益が74.5%、経常利益が80.9%、純利益が82.6%、通期予想に対して売上高が23.7%、営業利益が32.2%、経常利益が35.1%、純利益が35.6%と高水準である。下期偏重の期初計画であることも考慮すれば、第2四半期累計・通期予想とも増額の可能性がありそうだ。
 
■中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す
 
 新中期経営計画「CS VISION-2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進している。
 
 経営目標数値には、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。
 
 事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円で営業利益が17億円、樹脂事業の売上高が58億66百万円で営業利益が4億78百万円、化成品事業の売上高が40億円で営業利益が4億48百万円としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。
 
■株価は戻り歩調で3月の年初来高値を試す
 
 株価の動きを見ると4月の直近安値1129円から徐々に水準を切り上げている。戻り歩調だ。
 
 6月26日の終値1269円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円46銭で算出)は25~26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は0.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS713円14銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約390億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって水準を切り上げている。3月の年初来高値1415円を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)(イメージ写真提供:123RF)