ドル円は耐久財受注がマイナスだったことで売られる場面もあったが、その後株価が上昇したことを材料に買われた。111円台後半のストップを巻き込み111円94銭までドル高が進む。ユーロドルは引き続き1.12を挟む動きに終始。ユーロ円が125円台前半まで買われ、約3週間ぶりの高値に。株式市場では大きな動きはなく、ダウは5日ぶりに反発したものの小幅高。一方ナスダックは18ポイント下落。前日まで買われていたテクノロジー株やエネルギー株が売られる。債券相場は小幅高。耐久財受注額が予想を下回ったことで、景気に対する懸念が強まった。長期金利はやや低下し2.13%台に。金は5日ぶりに反落し、原油価格は続伸。

5月耐久財受注 → -1.1%

ドル/円111.36~ 111.94

ユーロ/ドル1.1176~ 1.1220

ユーロ/円124.75~ 125.14

NYダウ  +14.79 → 21,409.55

GOLD  -10.00 →1,246.40ドル 

WTI  +0.37 → 43.38ドル  

米10年国債  -0.005 → 2.137%


本日の注目イベント

中   中国 5月工業利益
中   中国 夏季ダボス会議(大連、29日まで))
米   4月ケース・シラ-住宅価格指数
米   6月消費者信頼感指数
米   6月リッチモンド連銀製造業指数
米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
米   イエレン・FRB議長講演(ロンドン)
米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演(ロンドン)
米   ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演(シドニー)
          

 ドル円はちょうど1カ月ぶりに112円に迫る水準まで上昇してきました。NY市場では111円94銭までドル高が進んだものの、112円には届いていません。それでも1カ月ぶりの水準だったことが、いかに相場が膠着していたかを物語っています。5月の耐久財受注が予想を下回り、ドルが売られる場面もありましたが、株価の上昇を好感してドルが買われたことには、やや違和感を覚えます。ダウ指数は上昇したものの、株式市場全体ではまちまちだったからです。

 110-112円のレンジ内で推移しているドル円が112円目前まで上昇して来ました。この水準は5月の下旬にも3回ほど試して抜け切れなかったレベルです。「1時間足」では完全に雲抜けを達成していますが、「日足」では雲の上に顔を出した程度で、まだここから一気にドルが買われるかどうかは不明です。雲の上方には重要な「120日線」があり、ここが抜け切れるかどうかがここ数日の焦点です。レートでは112円10-15銭近辺ですが、ここを抜ければ1カ月半ぶりのドル高水準ということになりますが、ここを超えると、ストップのドル買いなども多く設定されていると予想しています。また市場全体を観ると、ユーロ円が125円台。83円台まで売られた豪ドル円が再び84円台後半まで切り替えしており、主要通貨に対して円売りが進んでいることも気になります。

 長い間レンジ相場が続き、市場参加者にも「ストレス」が溜まっていることでしょう。ここをしっかり抜け切れば、意外に簡単に上昇トレンドに乗ることが出来るかもしれません。ただ現時点ではまだここから115円に向かうのは時期尚早と言えるでしょう。米長期金利のサポートが見られないことがその証左であると考えられます。ドル円が上昇した昨日でも、米長期金利は2.13台と、今年の最低に近い水準に留まっています。また、112円近辺では実需のドル売りも集まりやすいと見られます。

 結局2週間前のFOMCの直線にドルの下値を試し、108円台まで突っ込んだものの押し戻されましたが、今回はその逆で、ドルの上値を試してみようという流れが進んだものと考えられます。従って、ここ数日内で上記「120日線」を抜け切れないことが確認されれば、再び元のレンジに戻る可能性が高いと思われます。その意味では今日を含め、ここ数日の動きは興味深いものになります。偶然ですが、本日はロンドンでイエレン議長の講演があり、週末にはFRBが注目しているインフレ率を示す指標も発表されます。それらがドルの明確なトレンド形成のサポートになるのか、個人的にも注視しています。

 本日の予想レンジは111円30銭~112円30銭程度を予想しますが、上述のようにイエレン議長の講演内容次第では上下どちらにも抜ける可能性があります。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)