ドル円は111円台でもみ合い。日本株の上昇から上値を試し、111円79銭までドル高が進んだが112円には届かず。NYでもほぼ同様な展開で次の材料待ち。ユーロドルは1.11台で推移し、1.12台が徐々に重くなる。下値も底堅く、1.1119まで売られたものの勢いはない。

 株式市場は反落。原油価格が43ドル台まで下落したことからエネルギー株を中心に売られる。ダウは61ドル下げ、S&P500は1カ月ぶりの大幅安。債券価格は反発。株価の下落もあり資金が集まった。長期金利は2.15%台まで低下したが、2.1%台が定着した印象。金は続落。原油価格も続落し、9カ月ぶりに43ドル台前半をつける。供給過剰が解消されていないとの見方が広がる。


経常収支(1-3月) → -1168億ドル

本日の注目イベント

日   日銀金融政策決定会合、議事要旨(4月26日、27日分)
英   英5月財政収支
米   5月中古住宅販売件数

 ドル円は底堅い動きをしながらも、112円台を試すチャンスもなく、111円台でもみ合っています。昨日の東京時間では、予想したように日経平均株価が200円近く上昇し、一時は111円79銭辺りまでドル高が進む場面もあったが、株価の上昇だけでは112円台に乗せる力は無かったようです。NY市場では長期金利が低下したことでドルが売られましたが、それでも111円台前半までの動きでした。ここから112円台を突破するのか、それとも引き続き110-112円のレンジが維持されるのかは、やはり長期金利の動きがそのカギを握っていると思われます。

 このところほとんど話題に上らなかった原油価格が、今日は話題の中心になっています。WTI原油価格は先週辺りから下げ足を早め、昨日も前日比97セント下げ、昨年9月以来となる43ドル23セントで取引を終えています。石油輸出機構(OPEC)主導の減産が続いているものの、世界的な供給過剰が解消されていないとの懸念が強まり、売り圧力が強まっています。価格は今年の2月23日の54ドル45セントを頂点に既に21%下落しています。(ブルームバ-グ)今後もさらに下落するようだと、昨日のように、NY株式市場のエネルギーセクターに影響を与え、それが株式市場全体のセンチメントの悪化につながり、ドル円の上値を抑える可能性があります。

 このように原油価格の動きがドルの上値を抑える材料になることは考えられますが、一方で昨日のボストン連銀総裁の発言にあったように根強い利上げ観測と、FRBの資産縮小観測がドルを支える材料になっています。ボストン連銀のローゼングレン総裁は、「長期にわたる低金利は将来の金融ショックやリセッションへの金融政策の対応能力を低下させる」と指摘しています。

 ドル円は昨日記述したように120日線のある、111円75-80銭のところで上昇を抑えられています。またこの値位置は、「日足の雲の入り口」にもあたります。従って目先の重要な水準にはなりますが、この雲はそれほど厚くはなく、ある程度の材料があれば抜けることは十分可能かと思います。昨日は、ユーロ円が124円65銭辺りまで上昇し、豪ドル円も85円に迫る水準まで上昇するなど、クロス円の上昇が目立ちましたが、今朝は一服となっています。クロス円などの動きにも注目して欲しいと思います。

 本日のドル円は110円80銭~111円80銭程度と予想しますが、NYタイムでは原油価格の行方に伴う、株価の動きにも注意したいところです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)