ドル円は続伸し111円60銭まで買われる。NY連銀総裁が景気の先行きに自信を示した他、株価の上昇と、金利も上昇しリスクを取りやすくなったことが背景。ユーロドルはじり安。1.12まで上昇する場面があったものの、その後は緩やかに下落し1.143の安値をつける。株式市場は大きく買われる。テクノロジー株が主導し、ダウは144ドル上昇と、初の2万1500ドル台を記録。他の主要指数も揃って最高値を更新。債券相場は反落。NY連銀総裁の発言が金融引き締めにつながり売りを誘う。長期金利は2.18%台に上昇。金は反落し原油価格も売られる。

 
ドル/円110.91~ 111.60

ユーロ/ドル1.1143~ 1.1200

ユーロ/円124.20~ 124.49

NYダウ  +144.70 → 21,528.99

GOLD  -9.80 →1,246.70ドル 

WTI  -0.54 → 44.20ドル  

米10年国債  +0.037 → 2.188%


本日の注目イベント

豪   RBA議事録
独   独5月生産者物価指数
米   経常収支(1-3月)
米   カプラン・ダラス連銀総裁講演
米   フィッシャー・FRB副議長講演
米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演


 ドル円はNY市場でリスクオンの流れが加速し、111円60銭までドル高が進み、約3週間ぶりの水準を付けています。ダドリーNY連銀総裁が講演で、米経済に明るい見通しを示すとともに、2009年半ばに始まった景気拡大を損なわないよう「非常に賢明な」金融引き締めを目指すと述べたことが材料視され、低金利の円が売られ、金利は緩やかな上昇と見られることで、株価が大幅に上昇しました。

 総裁は米景気について「実際のところまだ長く継続すると強く確信している」と述べています。(ブルームバーグ)同総裁はイエレン議長にも近く、FOMCでは常に投票権を持っており、他の地区連銀総裁とは「格」が違います。その総裁の発言だけに、影響があったものと思われます。市場は素直に、ドル買い、株買い、債券売りで反応しました。

 先週のFOMCでも、年内のバランスシート縮小の可能性も示唆しており、イエレン議長も「経済情勢が想定通りなら、比較的早く着手できる」と述べており、今回のダドリー総裁の発言もこれに足並みを揃えたものと見られます。一方で米経済指標の結果を見渡すと、必ずしも景気拡大を確信できるものばかりではありません。先週末に発表された住宅着工件数や建設許可件数などがそのいい例です。また消費者マインドも年初に比べると低迷しています。

 このような経済状況下では、本来利上げはマイナス効果でしばらくは景気の後退が避けられるのかを見極める必要がありますが、FRBは依然として景気の先行きに自信を持っていることが改めて示されたことになります。NY株式市場で主要3指数が揃って最高値を更新し、債券は売られたものの、それでも長期金利は急騰するわけでもなく、足元でも2.18%台と、各金融市場はうまくバランスが取れているように見えます。このまま微妙な好バランスが維持できれば、株価上昇による資産効果からいずれ個人消費にも好影響が見られることにもなります。

 本日は日本株も高いでしょう。NY株高に加え、円安が進んだことで日経平均株価は100-200円程度上昇する可能性があります。それに伴って、ドル円も上値を試す展開が予想されますが、上値のメドは「日足の雲」の下限と、その上にある「120日線」ということになります。111円75銭~112円25銭辺りがレジスタンス・ゾーンと予想します。日経平均株価の2万円台固めと、ドル円の112円台テストが目先の焦点です。予想レンジは111円20銭~112円20銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)