英国の欧州連合(EU)離脱が決まった国民投票から1年、英国がEUに離脱を通知してから3カ月が経過し、いよいよ本日から両者による交渉がスタートする。もっとも、先日の英総選挙で与党・保守党が想定外の敗北を喫した事で、メイ首相の求心力は低下しており、首相が掲げる「強行離脱(ハード・ブレグジット)」路線の遂行にも不透明感が漂っている。実際に与党内からも「ハード・ブレグジット」の見直しを求める声が上がるなど、政権の離脱に対するスタンスが揺らぎ始めた。

 その意味では、本日の会合は英国のデービス離脱担当相とEU側の交渉責任者であるバルニエ委員の「顔見せ」的なものになると見られ、離脱の条件や今後の関係性などの核心的な協議に進む可能性は低いと考えられる。「顔見せ」会合を無難に終えれば、ポンド相場には大きな影響はないのかもしれない。とはいえ、もしキックオフの段階で躓くようだと、ただでさえ難航が予想される今後の交渉の見通しは全く立たなくなる。念のため会合後の共同記者会見には注目しておきたい。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)