ドル円は乱高下。朝方の経済指標に反応し、108円台後半までドル売りが進んだが、FOMCで利上げとバランスシートの縮小が発表されると、109円台後半まで値を戻す。ユーロドルも朝方には1.1296までユーロ高が進み、約7カ月ぶりの高値を記録。その後はドルの買い戻しが強まり、1.12割れまで値を下げる株式市場はまちまち。全体的にややハト派的だったこともあり、ダウは46ドル高で連日の最高値更新。一方ナスダックとS&P500は反落。朝方発表されたCPIが-0.1%だったことから債券相場は上昇。長期金利も一時は2.10%台まで低下し、ドル売りを誘った。金は6日ぶりに反発。原油価格は大きく売られ44ドル台に。

5月消費者物価指数    →  -0.1%

5月小売売上高       →  -0.3%

ドル/円108.81~ 110.32

ユーロ/ドル1.1193~ 1.1296

ユーロ/円122.76~ 123.59

NYダウ  +46.09 → 21,374.56

GOLD  +7.30 →1,275.90ドル 

WTI  -1.73 → 44.73ドル  

米10年国債  -0.085 → 2.126%

 
本日の注目イベント

豪  豪5月雇用統計
欧  ユーロ圏4月貿易収支
英  BOE金融政策発表
英  BOE議事録
英  英5月小売売上高
米  新規失業保険申請件数
米  6月NY連銀製造業景気指数
米  6月フィラデルフィア連銀景況指数
米  5月鉱工業生産
米  6月NAHB住宅市場指数
米  5月設備稼働率
        

 注目されたFOMCでは市場予想通りフェデラル・ファンド(FF)金利の0.25%引き上げを決めました。これでFF金利の引き上げは3月に続いて今年2回目となり、金利誘導目標は1.00~1.25%になりました。さらに市場が注目していた年内の利上げ予測については、あと1回との見通しを維持し、2018年利上げ予測も3回と見通しを変えていません。

 またFRBのバランスシートの縮小については、1カ月あたり国債60億ドルと、住宅ローン担保証券(MBS)40億ドルの再投資を見送ることにし、国債については月300億ドルに達するまで継続し、MBSについては月200億ドルに達するまで継続することを決めました。ただ、声明では縮小プロセスの具体的な開始時期には言及せず、最終的な保有額にも触れていません。(ブルームバーグ)結果的にはややハト派的であったものの市場予想と大きく異なる内容ではなかったと言えます。

 ドル円はNY時間の朝方に発表された5月の消費者物価指数がマイナス0.1%だったことや、小売売上高もマイナス0.3%に沈んだことで大きく売られ、108円台後半まで下落していました。昨日の決定は、本来ドル高要因だったものの、朝方に大きく水準を下げていたこともあり、利上げとイエレン議長の会見後に値を戻しても109円台後半まで値を戻すのが精一杯だったようです。

 FOMC声明は「委員会は現在、経済が概ね予想通りに進展するとの想定で、バランスシート正常化プログラムの年内開始を見込んでいる」と表明し、短期的なリスクも概ね均衡しているとの見方を示しました。またプログラム開始時期についてイエレン議長は記者会見の席で、「経済が予想通り進展すれば、年内のプロセス開始に向けた環境は整うはずだ」と述べています。実際には9月もしくは12月のFOMCで決定されると見られます。

 ドル円は一時108円81銭まで売られ、4月20日以来の円高水準をつけました。米長期金利の低下でドル売りが強まりましたが、米長期金利も一時2.10%台と、こちらは7カ月ぶりの低水準を記録しています。今年2回目の利上げを決め、バランスシートの年内縮小開始も決め、本来なら米長期金利は上昇していいはずなのに低下傾向が続いています。株高と長期金利の低下は、今回の利上げで「年内打ち止め」であることを暗に示唆しているのかもしれません。

 ドル円は下値を探る展開になっていますが、予想レンジは108円70銭~110円程度としたいと思います。今年の円の最高値は4月17日の108円13銭です。米長期金利がさらに低下するようだと、この水準をテストする可能性もありそうです。足元のドル円は米長期金利との相関度をさらに強めているように思えます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)