ドル円は引き続き110円前後で小動き。株式市場は活況を呈しているものの、ドル円は売り買いとも盛り上がらず110円00―05銭で取引を終える。ユーロドルも値動きは低調。1.12を中心にもみ合いが続き、今夜のFOMCの結果を待つ姿勢が強まる。

 株式市場は大きく反発。懸念されたアップルなどIT株も急反発しナダックは44ポイント上昇。一方ダウも92ドル上昇し、最高値を更新。債券市場では30年債入札が好調だったものの、10年債は小動き。長期金利も前日とほとんど変わらず。金は小幅ながら続落。原油価格は続伸。


5月生産者物価指数    →  0.0%

ドル/円109.90~ 110.22

ユーロ/ドル1.1192~ 1.1220

ユーロ/円123.18~ 123.54

NYダウ  +92.80 → 21,328.47

GOLD  -0.30 →1,268.60ドル 

WTI  +0.38 → 46.46ドル  

米10年国債  -0.004 → 2.210%


本日の注目イベント

中   中国 5月小売売上高
中   中国 5月鉱工業生産
独   独5月消費者物価指数(改定値)
欧   ユーロ圏4月鉱工業生産
英   英5月雇用統計
米   FOMC 政策金利発表
米   イエレン議長記者会見
米   5月消費者物価指数
米   5月小売売上高


 NYダウは先週末に最高値を更新したのに続き、昨日も92ドル上昇し、再び最高値を更新しています。株式市場では取引は活況を呈していますが、為替市場と、債券市場では「微妙な均衡」が続いており、売り買いとも盛り上がりに欠けた展開です。ドル円は110円前後で膠着し、居心地がいいのか、上も下も攻め手に苦労している状況です。特に昨日は、今夜のFOMCでの利上げ以外のヒントを待つ状況が続いており、このまま水準を変えずに明日朝の金融政策会合まで推移する公算が高いと見られます。

 政策金利の発表は明日のの朝3時ですが、焦点は今回の利上げ後の次の利上げがいつになるのかということと、FRBの資産縮小がどのタイミングで行われるのかという点です。この2つのポイントを巡って、イエレン議長の発言からヒントを読み取ろうとすることになります。

 今回の会合での利上げはほぼ確実と見られますが、残り年内1回はあると見られている利上げ見通しに変化があるのかという点と、現在約500兆円あるFRBのバランスシートをどのタイミングで縮小していくのかという点です。バランスシートの縮小は利上げと同じ効果が見込まれ、仮に具体的な言及があれば、市場はドル買いで反応すると見られます。一方で雇用や自動車販売などのデータでは先行きの不安を映し出しており、インフレ率も、PCEコアデフレーターでは1.5%と、目安の2.0%には届いていません。イエレン議長をはじめ、FOMCメンバーがこの状況でも景気の先行きに自信を持っているのかどうかがポイントになりそうです。

 また5月のFOMC声明文では、第1四半期の景気の鈍化は一時的な可能性が高いと判断しましたが、もしこのスタンスが維持できるのなら、今年3回の利上げも可能で、バランスシートの縮小にも言及してくるかもしれません。その場合にはドル円は111円台回復も十分あり得ると予想しますが、ハト派的な内容に終わると109円テストも考えられます。

 トランプ政権への期待も徐々に低下し、景気刺激策の遅れも最早明らかです。この辺りのリスクもFOMCメンバーの判断材料になるかもしれません。いずれにしても膠着状態が続き、為替のパフォーマンスがいまいちとみられるヘッジファンドなどが、この機会に積極的に相場に関わってくる可能性も指摘されています。明日朝方の値動きには注意が必要です。以上の状況から、本日のレンジ予想はややワイドに、109円~110円80銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)