ドル円は、コミー証言がトランプ政権にとって大打撃にはならないとの見方が広がり上昇。110円38銭までドル高が進み、金利高、株高もドルを支えた。ユーロドルはECBが金融政策の維持を決め、一段の利上げの可能性を排除したが、利益確定の売りに押され、一時は1.1195まで売られる。

 株式市場は小幅に上昇したものの、ほぼ変わらず。ECBの金融政策やコミー証言は材料にはならず、ダウは8ドル高で引ける。債券相場は前日と同様にやや売られ、長期金利は若干上昇。金と原油は揃って下落。


新規失業保険申請件数 → 24.5万件

ドル/円109.86~ 110.38

ユーロ/ドル1.1195~ 1.1252

ユーロ/円123.03~ 123.92

NYダウ  +8.84 → 21,182.53

GOLD  -13.70 →1,279.50ドル 

WTI  -0.08 → 45.64ドル  

米10年国債  +0.016 → 2.188%


本日の注目イベント

中   中国 5月消費者物価指数
中   中国 5月生産者物価指数
独   独4月貿易収支
英   英4月鉱工業生産
英   英4月貿易収支
加   カナダ5月就業者数
加   カナダ5月失業率


 注目されたコミー前連邦捜査局(FBI)長官の証言は2時間半以上に渡り、同氏は「指導力不足などの解任理由はウソだ」と証言しました。コミー氏は大統領と初めての会合後に、直ちに記録をとり始め、「われわれの会合の性質についてトランプ氏がウソをつくかもしれないと真剣に懸念したため、私は記録を残すことが重要だと考えた」(ブルームバーグ)とも述べ、当初から政治的圧力に対する懸念を感じていたことを明らかにしました。

 ただ同氏は、会話の内容が司法妨害に当たるかどうかについては、「私が判断することではない」としたことで、トランプ政権に直ぐに打撃を与えるものではないとの見方が広がり、ドル円は上昇。株式も買われ、長期金利も上昇し、前日と同じ展開になっています。ドル円は欧州時間に110円台を回復し、コミー氏の発言後には110円38銭まで反発する場面もありました。市場はひとまず冷静な対応を見せたと言っていいと思います。

 次は英国の総選挙です。各メディアは出口調査の結果を発表していますが、現時点では与党保守党は過半数を取れないと報じています。BBCなどは下院(定数650)で保守党は341議席にとどまるとの見方を示しています。保守党と労働党との支持率の差はそれほど無かったものの、保守党有利との戦前の予想が、このままいくと再び「BREXITの再来」となる可能性が高まってきました。ポンドドルはこの報道をうけ、約200ポイントほど売られています。

 そして最後はECB理事会です。ECBは金融政策の現状維持を決め、ドラギ総裁は記者会見で「忍耐が必要だ。引き続き、われわれの金融政策で回復を支えていかなければならない」と述べ、その理由として「景気回復はまだ力強いインフレにつながっていない。これまでのところ、基調的インフレの指標は引き続き弱い状態にとどまっている」との見方を示しました。(ブルームバーグ)会見を受けて、ユーロドルは利益確定の売りに押され、1.12を割り込んでいます。

 これでイギリスの選挙結果を残すのみとなり、「スーパー・サーズデー」は終わろうとしています。ポンドは大きな値動きを見せましたが、円やユーロは比較的落ち着いた動きになっています。気のなるのは、やはりコミー証言です。

 結局トランプ大統領は、自身や側近のロシア疑惑の捜査を中止させるためにFBI長官を「権力を使って」更迭したわけです。コミー氏も述べていましたが、オバマ前大統領やブッシュ元大統領とは何か違うものを感じ取って記録を残しました。TPPやパリ協定からの離脱など、「アメリカ・ファースト」という錦の御旗の下、何をやってもいいわけはありません。ドイツを筆頭に、欧州との距離もひらいてきました。このままトランプ氏が4年間の任期を全うするとは思えません。本日のドル円は110円を中心に、上下50銭程度のレンジを予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)