巴工業 <6309> は遠心分離機械などの機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などの化学工業製品販売事業を主力としている。17年10月期第2四半期累計は大幅増益だった。通期は営業減益予想だが増額余地がありそうだ。株価は0.7倍近辺の低PBRも見直して3月の年初来高値を試す展開が期待される。
 
■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開
 
 遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱として、中国・深せんではコンパウンド加工事業も展開している。15年12月タイにおける商社活動を目的として子会社TOMOE Trading(Thailand)を設立した。
 
 16年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業26%、化学工業製品販売事業74%、地域別売上構成比は日本82%、アジア14%、その他5%である。収益面では機械製造販売事業が設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高くなりやすい特性がある。
■17年10月期第2四半期累計は大幅増益
 
 6月2日発表した今期(17年10月期)第2四半期累計(11月~4月)連結業績(4月20日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前年同期比1.3%減の195億99百万円、営業利益が同16.2%増の10億67百万円、経常利益が同32.8%増の10億46百万円、純利益が同32.1%増の6億68百万円だった。
 
 機械製造販売事業、化学工業製品販売事業とも販売が伸び悩んだため減収だが、機械製造販売事業において採算性が良化し、化学工業製品販売事業においても収益性の良い商材の販売が伸長して大幅増益だった。売上総利益は同8.2%増加し、売上総利益率は22.0%で同1.9ポイント上昇した。販管費は同5.9%増加し、販管費比率は16.6%で同1.2ポイント上昇した。営業外では為替差損が減少(前期1億44百万円、今期16百万円)した。
 
 セグメント別に見ると、機械製造販売事業は売上高が同3.8%減の48億10百万円で営業利益が同2.2倍の2億58百万円だった。国内官需向け機械・装置・工事・部品・修理、国内民需向け機械・工事の減少で減収だったが、利益面では海外向け部品・修理の増収効果、国内民需向けの収益性向上が寄与して大幅増益だった。
 
 化学工業製品販売事業は売上高が同0.4%減の147億88百万円で営業利益が同0.9%増の8億08百万円だった。売上面では国内合成樹脂分野の樹脂材料、化成品分野の紫外線硬化樹脂や難燃材、機能材料分野の半導体製造装置向けセラミックス製品が減少して微減収だったが、利益面では収益性の良い商材の構成比率が高い工業材料分野の増収効果で微増益だった。
 
 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期84億87百万円、第2四半期111億12百万円、営業利益は77百万円、9億90百万円だった。
 
■17年10月期通期営業減益予想だが増額余地
 
 今期(17年10月期)通期の連結業績予想(4月20日に売上高を減額、利益を据え置き)は、売上高が前期(16年10月期)比3.1%増の404億円、営業利益が同9.1%減の17億90百万円、経常利益が同横ばいの17億80百万円、純利益が同21.8%増の11億80百万円としている。配当予想は前期と同額の年間45円(第2四半期末22円50銭、期末22円50銭)としている。予想配当性向は38.1%となる。
 
 化学工業製品販売事業は収益性の良い商材の販売が伸長するが、機械製造販売事業は売上減少に伴って利益減少が見込まれ、営業減益予想としている。営業外での為替差損および特別損益は見込んでいない。
 
 ただし会社予想には保守的な印象が強い。通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.5%、営業利益が59.6%、経常利益が58.8%、純利益が56.6%と高水準である。通期会社予想に増額余地がありそうだ。
 
■株主優待制度は10月末に実施、ワインを贈呈
 
 株主優待制度は毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容はワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。
 
■株価は調整一巡して3月高値目指す、低PBRも見直し材料
 
 株価の動きを見ると、第2四半期累計の大幅増益を好感し、1800円近辺でのモミ合いから上放れの動きを強めている。6月5日には1839円まで上伸した。
 
 6月7日の終値1837円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS118円25銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は2.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2522円81銭で算出)は0.7倍近辺である。なお時価総額は約193億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。0.7倍近辺の低PBRも見直して3月の年初来高値1974円を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)(イメージ写真提供:123RF)