5月の雇用統計では、雇用者数が予想を下回り、4月分と3月分も下方修正されたことでドル売りが強まり、ドル円は110円33銭まで売られる。前日のADP雇用者数が上振れしたことで期待が高まり、東京時間につけた111円71銭が高値となる。ユーロドルも続伸し、一時は1.1285までユーロ高が進み、約7カ月ぶりの高値を記録。

 株式市場は続伸。テクノロジー株が上昇を牽引し、ダウは連日で最高値を更新。その他主要指数も揃って高値を更新。雇用統計の結果を受けて債券相場は大幅高。長期金利は2.15%台と、ほぼ年初来の低水準を記録。金は10ドル余り上昇。原油価格は反落し47ドル台に。


5月非農業部門雇用者数 →  13.8万人

5月失業率          →  4.3%

5月平均時給(前月比)  →  +0.2%

5月平均時給(前年比)  →  +2.5%

4月貿易収支        →  476億ドルの赤字

ドル/円110.33~ 111.55

ユーロ/ドル1.1206~ 1.1285

ユーロ/円124.42~ 125.12

NYダウ  +62.11 → 21,206.09

GOLD  +10.10 →1,280.20ドル 

WTI  -0.70 → 47.66ドル  

米10年国債  -0.052 → 2.159%


本日の注目イベント

中   中国 5月財新コンポジットPMI
英   英5月サービス業PMI
米   5月労働市場情勢指数(LMCI)
米   5月ISM非製造業景況指数
    

 5月の雇用統計では、失業率は4.3%と改善していたものの、非農業部門雇用者数は13.8万人と、こちらは予想を下回り、長期金利の低下も材料視されドル円は110円台前半まで急落しました。

 先週金曜日のコメントでも述べましたが、ADP雇用者数と雇用統計ではそれほど強い相関関係はなく、期待値が高かったこともありドルの急落につながった面もあります。ドル円は先週末の東京時間に111円71銭までドル高が進みましたが、結局112円には届かず、110-112円のレンジの上限が抜けず、再び下限を試す展開になっています。

 5月の非農業部門雇用者数が市場予想を下回っただけでなく、4月分と3月分も下方修正され、これで直近3カ月の平均は12万人程度になりました。また、平均時給も前年比では2.5%と、こちらも市場予想を下回っています。米労働市場の先行きにはやや雲がかかってきた印象はありますが、現時点では来週のFOMCでの利上げ観測に大きな影響を及ぼすほどではないと、市場は見ているようです。ただその後の利上げのペースがさらに緩やかになる可能性はありそうです。来月の雇用統計が、今から気になるところです。

 ドル円は110円33銭まで売られ、先月の110円23銭近辺が再び意識される流れになってきました。今のところ株価が堅調なため、直ぐに110円を割り込み、108円を目指す展開は想定しにくいと思われます。下値のメドは、やはり「雲の下限」と「200日移動平均線」が集まる、110円10銭前後であり、110円という心理的な大台ということになります。米長期金利の低下傾向がドル円の上値を抑える一方、堅調な株価がどこまでドル円のサポートとして機能するのかが注目されます。それだけに株価が崩れると、ドルの支えが一つなくなるため、下落には注意が必要です。

 出遅れ感の強かった日経平均株価も、先週末には300円以上も値上がりし2015年12月以来となる2万円の大台を回復してきました。このまま2万円の大台を維持し、2万1000円に向かって上昇するのかどうかも注目されます。日経平均株価は為替の影響を受けやすいと言われていますが、110円を割り込まなければ株価への大きな悪影響はないと思われます。3月企業決算の発表を終え、大方の輸出企業は今上期のドル円を105円から110円に設定しているところが多く、その分112円台から上の円安水準ではドル売り注文が集まりやすいとも言えます。

 本日のドル円は110円~111円程度を予想します。上で述べたように、本日の日本株の動きと、NY株に利益確定の売りが出るのかどうかに注目しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)