東京市場では110円台半ばが底堅かったものの、欧州市場では110円24銭までドル安が進む。NY市場に入ると、良好な経済指標が支援材料となり、111円74銭までドルが反発し、111円台半ばで取引を終える。ユーロドルは1.1138まで買われたものの、ドルが上昇したことで、1.11台を割り込む。

 株式市場は反発。政治的リスクは存在するものの、フィラデルフィア連銀製造業景況指数などの経済データが上振れしたことで下値不安が後退。ダウは一時150ドルを超えたものの、引け値では56ドル高。債券相場は上昇したものの引けでは小幅安。長期金利もほぼ変わらずの2.22%台に。金は反落し、原油は小幅高。


新規失業保険申請件数        → 23.2万件

5月フィラデルフィア連銀景況指数  → 38.8

4月景気先行指標総合指数      → 0.3%


ドル/円110.48 ~ 111.74

ユーロ/ドル1.1075~ 1.1138

ユーロ/円122.94~ 123.88

NYダウ  +56.09 → 20,663.02

GOLD   -5.90 →1,252.80ドル

WTI  +0.28 → 49.35ドル

米10年国債  +0.005 → 2.229%


本日の注目イベント

独   独4月生産者物価指数
欧   ユーロ圏5月消費者信頼感(速報値)
米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
加   カナダ4月消費者物価指数
加   カナダ3月小売売上高


 前日、NYダウが372ドル下落という大幅安に終わったことから、昨日は日経平均がどこまで下げるのかに注目していました。ザラ場では300円を大きく上回る下げを見せたものの、引け値では前日比261円安と、比較的軽めの下げで取引を終えました。そのこともあり、ドル円は110円台半ばを試したものの底堅く、株価が下落幅を縮めると、111円台前半までドルが買われる場面もありました。

 しかし欧州市場に入ると、トランプ大統領の「弾劾」や「辞任」が意識され、再びドル売りが強まり、110円24銭近辺までドル安が進みましたが、NYではフィラデルフィア連銀製造業景況指数が「18.5」の予想に対して、「38.8」と大きく上振れたことからドル買いが強まり、111円74銭まで上昇する荒っぽい動きでした。またクリーブランド連銀のメスター総裁が、金融緩和縮小に触れたこともドルの支援材料になったようです。

 政権の維持そのものが不透明になってきたトランプ大統領はツイッターで「史上最大の魔女狩りだ」とつぶやくと同時に、声明では「何回も述べたように、私の陣営と外国機関による共謀はなかったという既知の事実が、徹底的な捜査によって確認されるだろう」と述べています。米司法省は、この捜査を監督する特別検査官にミューラー元FBI長官を任命しています。(ブルームバーグ)

 ドル円は110円割れをひとまず回避できたことで、110-115円のレンジもしくは、110-113円のレンジが形成されると予想しています。昨日発表された失業保険申請件数も良好でしたが、まだ全体的には良い指標と悪い指標が混在している状況です。引き続き今後の経済データを確認していく必要がありますが、トランプ政権に大きな衝撃がなければ6月利上げは動かないと思われ、注意すべきは利上げ後の「次の利上げのタイミング」です。今年3回目の利上げが9月と見込まれるようだと、ドル高材料になることも予想されます。

 111円74銭まで反発したドル円は、「1時間足」の雲の入り口で上昇を抑えられた形になっています。本日の日本株が堅調な動きを見せるようだと、再び111円70-80銭レベルを試す可能性があります。その雲を上抜けするには112円台にしっかりと乗せる必要がありますが、昨日110円台の前半を試した後だけに、一気に112円台回復は簡単ではないと思われます。予想レンジは110円90銭-112円程度でしょうか。引き続き「トランプリスク」が強まるのか、弱まるのかを意識しながらのトレードになります。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)