ドル円は小売売上高など、低調な経済指標に押されて下落。長期金利が低下したこともあり、113円20銭までドル売りが進み、3日ぶりの円高水準をつける。ユーロドルも反発。1.0935までユーロ高が進み、ドル高に素直に反応した形。

 株式市場はまちまちながら、ダウは4日続落。小売売上高が低調だったことで、百貨店株などが売られる。債券相場は続伸。経済指標が予想を下回ったことで債券に買い安心感が広がり、長期金利は低下。金は続伸し、原油価格はほぼ変わらず。


4月消費者物価指数 → +0.2%

4月小売売上高 → +0.4%

5月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 97.7

ドル/円113.20 ~ 113.88

ユーロ/ドル1.0871~ 1.0935

ユーロ/円123.58~ 123.91

NYダウ  -22.81 → 20,896.61ドル

GOLD   +3.50 →1,227.70ドル

WTI   -0.01 → 47.82ドル

米10年国債  -0.062 → 2.326%


本日の注目イベント

中   中国 4月小売売上高
中   中国 4月鉱工業生産
米   5月NY連銀製造業景気指数
米   5月NAHB住宅市場指数


 114円台で底堅い動きをみせていたドル円は、4月の小売売上高が予想を下回るなど、経済指標が低調だったことで113円20銭まで売られています。114円台半ばから上値をテストすることもなく反落した形でしたが、やはり115円を抜けるには、さらなるドル買い材料が不可欠のようです。

 北朝鮮が昨日の朝方、今年7回目となるミサイルを打ち上げました。週明けのオセアニア市場では、円が買われる展開を予想しましたが、113円台前半で推移しており、それほど円高は進んでいません。トランプ大統領が、条件があえば、直接会談をしてもいいといった柔軟な姿勢を示したものの、返ってきたボールは「ノー」ということです。これで会談の可能性が全くなくなったのかどうかは分かりませんが、北朝鮮側を対話の席に引き出すのは簡単ではないようです。今回のミサイル発射に対しては、中国とロシアも懸念を表明しています。これまで市場には大きな影響を与えてはいませんが、引き続き北朝鮮問題はリスクと見ておかなければなりません。

 4月の小売売上高は+0.4%で、市場予想には届きませんでしたが、3月分が上方修正されており、「まずまずの結果」だったと言えます。米GDPの7割を占めると言われる個人消費の行方を見る上で、小売売上高は重要な指標です。1-3月期のGDP速報値が「+0.7%」だったことで今回はより注目されていましたが、景気の減速を示すものではなかったと言えます。少なくとも現時点では来月6月の利上げ観測に影響を与える内容ではありません。

 ドル円は上にも下にも行きにくい展開が予想されます。テクニカル的には上昇を目指している形になってはいますが、上述のように、北朝鮮リスクが存在します。また、トランプ政権の円安誘導発言もなりをひそめていますが、リスク要因として存在します。先週のG7でムニューシン財務長官は、米国は保護主義を主張する権利を有するとの発言もありました。またFBI長官を更迭したトランプ大統領の政治的リスクも意識しないわけにはいきません。

 下値のメドは113円15銭前後と、その下では112円85銭あたりが「雲の上限」になっています。予想レンジは112円80銭~113円80銭程度を見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)