ドル円は底堅い動きを見せたものの114円台前半が抜け切れず反落。NYダウが100ドルを超える下落を演じた中、113円45銭までドル売りが進んだが、113円台後半まで反発して引ける。ユーロドルは方向感もなく、前日と同水準で推移。1.08台半ばを挟む展開で動意も乏しい。

 株式市場は揃って下落。ダウは3日続落し、小売セクターの下げが目立った。債券相場は反発、株安から債券への需要が高まり小幅ながら上昇。長期金利は2.38%台へと低下。ドル安が進み金は続伸。原油価格も続伸し、47ドル台後半に。


新規失業保険申請件数 → 23.6万件

4月生産者物価指数  → +0.5%


ドル/円113.45 ~ 114.12

ユーロ/ドル1.0839~ 1.0875

ユーロ/円123.31~ 123.92

NYダウ  -23.69 → 20,919.42ドル

GOLD   +5.30 →1,224.20ドル

WTI   +0.50 → 47.83ドル

米10年国債  -0.019 → 2.387%


本日の注目イベント

独   独1-3月期GDP(速報値)
欧   ユーロ圏3月鉱工業生産
米   4月消費者物価指数
米   4月小売売上高
米   5月ミシガン大学消費者マインド(速報値)


 前日米長期金利の上昇を手掛かりに114円38銭まで買われたドル円でしたが、昨日は反対に、長期金利が下落したことや軟調なNY株が引き金となって一時は113円45銭までドル売りが進む場面もありました。115円をテストするにはやはり材料不足とみえて、市場は次の材料を模索している
状況です。

 ドルが売られたと言っても113円台半ばから後半までで、積極的にドル売りを積み上げる様子でもありません。米利上げ回数の上振れ期待がドルを支える構図になっていますが、これも実際のところ、今後の経済データを見極める必要があります。投資家の多くも目先のドルの上昇は115円程度と見て、ある程度利益確定の売りも出し、回転をきかせているように見受けられます。

 1.10台まで急騰したユーロドルはその後調整局面が続いています。ドラギ総裁は依然として景気の先行きには慎重な姿勢を崩してはおらず、量的緩和の縮小は時期尚早との立場を維持しています。ECBの政策について、昨日はコンスタンシオ副総裁がコメントしています。副総裁は「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」と述べ、ドラギ総裁と歩調を合わせる発言を行いました。

 また「われわれは12月まで現在の政策を続ける意思を明らかにしている。これは次の行動を秋までに決定しなければならないことを自動的に意味する」とも発言しており、次回6月の会合での政策変更はないことに言及しました。ただ市場の見方は来月にも、どこかのタイミングで「フォワードガイダンス」的なメッセージがあるのではないかといった観測は根強く残っています。

 昨日の日経平均株価は、あと40円から50円で2万円の大台に届くところまで上昇しましたが、結局2万円の大台は達成できませんでした。「近いようで遠い2万円」、「薄いようで厚い壁」ということが言えそうですが、個人的には余程のネガティブな材料が出てこないかぎり、達成は「時間の問題」と考えています。昨日のトヨタは例外でしたが、多くの企業が最高益を更新する決算を発表しているからです。

 仮に日経平均株価が2万円の大台を越えて、もう少し上値を伸ばすとすればドル円の下値もおのずから限られてきます。NYダウが買われ過ぎとの指摘もありますが、目先のメインシナリオはこのようなものだと考えています。

 本日はさすがにドルの上昇は一服かと思われます。予想レンジは113円30銭~114円30銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)