京写 <6837> (JQ)はプリント配線板の大手メーカーである。LED照明関連の市場拡大も追い風であり、中期成長に向けて新規取引拡大や内製拡大などの施策を推進している。17年3月期連結業績は新規取引拡大や合理化効果で大幅営業増益だった。そして18年3月期も大幅営業増益予想である。株価は地合い悪化が影響した4月の直近安値圏から切り返している。好業績や指標面の割安感を評価して上値を試す展開が期待される。
 
■プリント配線板の大手メーカー
 
 プリント配線板の大手メーカーである。世界最大の生産能力を誇る片面プリント配線板、および両面プリント配線板を収益柱として、実装治具関連事業も展開している。
 
 プリント配線板は防塵対策基板、高熱伝導・放熱基板、ファイン回路片面基板などに技術的な強みを持ち、生産は国内、中国、インドネシアに拠点展開している。また実装治具関連事業も強化し、14年10月にはキクデンインターナショナルからフロー半田付け搬送キャリア事業を譲り受けた。なお海外販売拠点として16年8月、韓国LGエレクトロニクスとの取引拡大に向けて京写韓国、北米での自動車関連の拡販に向けて京写メキシコを設立した。
 
 16年3月期の製品別売上高構成比は片面板44.2%、両面板42.4%、その他(実装治具関連)13.4%、製品用途別売上高構成比は自動車関連28.5%、家電製品24.2%、事務器13.1%、映像関連7.6%、アミューズメント関連3.8%、その他17.6%だった。幅広い用途と顧客層(国内1000口座、海外300口座)を獲得し、LED照明関連の市場拡大も背景として製品サイクルの長い自動車関連や家電関連を強化している。
 
■LED照明関連の市場拡大が追い風
 
 四半期別の業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期41億65百万円、第2四半期44億41百万円、第3四半期45億35百万円、第4四半期45億36百万円、営業利益が2億53百万円、2億33百万円、2億39百万円、1億91百万円、16年3月期は売上高が46億97百万円、46億81百万円、50億92百万円、49億09百万円、営業利益が1億94百万円、60百万円、2億21百万円、42百万円だった。
 
 収益は自動車や家電などの生産動向の影響を受けやすいが、LED照明関連の市場拡大が追い風である。16年3月期は国内でスマートメーター関連を新規受注し、LED照明の家電製品分野も堅調だった。海外は自動車関連が伸長した。ただし中国の景気減速の影響で片面板の受注が減少するなどプリント配線板が全体として伸び悩み、海外工場における内製稼働率の低下、円安に伴う輸入販売品や原材料などの調達コスト上昇、搬送用治具事業譲受に伴う人件費の増加などで減益だった。
 
 なお売上総利益は15年3月期比2.8%減少し、売上総利益率は17.9%で同2.3ポイント低下した。販管費は同11.2%増加し、販管費比率は15.3%で同0.3ポイント上昇した。経常利益増減分析は増益要因が売上要因3億44百万円、減益要因が原価率要因4億44百万円、販管人件費増減要因2億99百万円、営業外要因21百万円としている。為替影響は売上高でプラス13億円、営業利益でマイナス1億円、経常利益でマイナス1.3億円だった。ROEは7.5%で同4.8ポイント低下、自己資本比率は47.7%で同3.2ポイント上昇した。配当性向は24.2%だった。
 
 セグメント別に見ると、日本は売上高が同2.2%減の76億49百万円で営業利益(連結調整前)が同57.1%減の89百万円、中国は売上高が同23.5%増の100億08百万円で営業利益が同26.0%減の5億38百万円、インドネシアは売上高が同1.5%減の17億21百万円で営業利益が同1億23百万円の赤字(前々期は33百万円の赤字)だった。
 
■17年3月期は大幅営業増益
 
 4月28日発表した前期(17年3月期)連結業績は、売上高が前々期(16年3月期)比0.1%増の193億92百万円、営業利益が同35.4%増の7億円、経常利益が同37.6%増の7億08百万円、純利益が同17.1%増の5億54百万円だった。
 
 期前半の需要低迷や円高影響で通期の売上高は横ばいにとどまったが、プリント配線板事業は、国内では期後半から自動車関連およびスマートグリッド関連の受注が回復傾向を強めた。また海外では中国やインドネシアで自動車関連が堅調に推移し、映像関連における非日系顧客からの受注も拡大した。利益は海外工場の稼働率改善効果や合理化効果が寄与して大幅営業増益となった。
 
 売上総利益は同4.1%増加し、売上総利益率は18.7%で同0.8ポイント上昇した。販管費は同1.3%減少し、販管費比率は15.0%で同0.3ポイント低下した。なお特別利益では投資有価証券売却益が減少(前々期1億90百万円、前期98百万円)した。またROEは8.7%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は44.1%で同3.6ポイント低下した。配当は16年3月期と同額の年間8円(期末一括)とした。配当性向は20.7%である。
 
 セグメント別には、日本の売上高が同4.1%増の79億59百万円で営業利益(連結調整前)が同65.5%減の30百万円、中国の売上高が同3.3%減の96億80百万円で営業利益が同22.3%増の6億58百万円、インドネシアの売上高が同1.8%増の17億52百万円で営業利益が4百万円の赤字(前々期は1億23百万円の赤字)だった。
 
 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期46億54百万円、第2四半期46億91百万円、第3四半期49億81百万円、第4四半期50億66百万円、営業利益は1億04百万円、1億32百万円、2億59百万円、2億05百万円だった。
 
■18年3月期も大幅営業増益予想
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期(17年3月期)比8.3%増の210億円、営業利益が同21.3%増の8億50百万円、経常利益が同13.0%増の8億円、純利益が同0.9%減の5億50百万円としている。
 
 非日系顧客向けの拡販、生産体制の効率化、新製品の開発、品質の向上などの施策を積極推進する。売上面では自動車関連が引き続き好調に推移し、片面配線板の需要回復に伴う内製稼働率の上昇、海外工場における合理化効果なども寄与して大幅営業増益予想である。配当予想は前期と同額の年間8円(期末一括)としている。予想配当性向は20.8%となる。
 
■新中期経営計画で21年3月期営業利益17億円目標
 
 16年6月策定の新中期経営計画では、経営ビジョンを「一流になる」、基本戦略を「企業間連携を活用し電子回路デバイス分野において独自技術を武器に成長分野を攻める」とした。企業間連携によって販路拡大、新マーケット開拓、技術開発を図る方針だ。
 
 目標数値としては、21年3月期売上高280億円(片面配線板105億円、両面配線板145億円、治具20億円、実装10億円)、営業利益17億円(営業利益率6.0%)を掲げた。株主還元については配当性向20%を目標とする。
 
 成長に向けた重点戦略としては、片面配線板は未開拓地域および新規顧客への拡販、独自技術による顧客および成長分野の開拓、両面配線板は海外での拡販および海外生産体制の拡充、実装は国内成長分野への特化と生産自動化、治具は国内外での拡販と新用途の開発などを推進する。また新規事業の創出と育成では、プリント配線板の上流下流および関連分野への進出、産学連携による産業利用用途の製品開発、企業間連携による経営効率化に取り組む方針だ。
 
 片面配線板では印刷技術をベースとした新製品「プリンタブル基板」の開発を推進し、両面配線板では海外工場設置で内製比率上昇を推進する。成長分野のLED照明関連は直管型LED照明の普及に加えて、自動車ヘッドライトのLED化進展も期待されている。自動車ヘッドライト関連の大手メーカーへの供給も拡大しているようだ。政府が省エネ対策として、エネルギー消費の少ないLED照明の普及を促進する方針を示していることも追い風となる。中期的に収益拡大基調が期待される。
 
■株価は好業績や割安感を評価して上値試す
 
 株価の動きを見ると、地合い悪化が影響した4月の直近安値圏320円台から切り返している。5月2日には18年3月期大幅営業増益予想を好感して383円まで上伸した。そして3月の年初来高値394円に接近している。
 
 5月8日の終値378円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS38円38銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS446円91銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約55億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返して13週移動平均線を回復した。サポートラインを確認した形だ。好業績や指標面の割安感を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)(イメージ写真提供:123RF)