7日に行われた仏大統領選挙の決選投票は、中道系独立候補マクロン氏が極右政党のルペン氏を大差で破り、勝利した。8日の外国為替市場では、親EU政権の誕生によって欧州の政治的混乱が避けられるとの見方からユーロ買いが先行。ユーロ/ドルは約半年振りに1.10ドル台を回復した。ただ、事前の世論調査でマクロン氏の支持率がルペン氏を大きく上回っていた事から、勝利は概ね織り込み済みの結果であった。加えて史上最年少での大統領就任、かつ二大政党(社会党、共和党)以外からの就任も史上初とあって、政治手腕は未知数と言える。こうした点を踏まえれば、マクロン氏の勝利がユーロをさらに押し上げる可能性は低そうだ。ユーロ/ドルが1.10ドル台に定着してさらに上値を伸ばすためには、域内景気の回復を裏付けるデータや、欧州中銀(ECB)の金融政策正常化(緩和縮小)観測などの追撃材料が必要だろう。なお、メルシュECB理事は本日、「ユーロ圏の回復はより加速している」としながらも、「正常化をめぐる議論、秩序立ちかつ適切に慎重な方法で行うべき」と発言している。また、欧州政治リスクの緩和は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が6月に利上げに動くとの市場の見方を補強する材料にもなり得る。ドルが上昇する事によってユーロ/ドルが弱含む可能性も捨てきれないだろう。ユーロ/ドルは、節目の1.10ドル付近で「次なる材料待ち」の神経質な相場展開となりそうだ。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)