中国GDP成長率は足元こそ前年比6.9%増と堅調ながら、年後半には息切れして成長率が鈍るのではないか?――大和総研経済調査部の主席研究員、齋藤尚登氏は4月20日に「中国:2期連続の成長加速、年後半に息切れも」と題したレポート(全10ページ)を発表し、住宅やインフラ投資など固定資産投資の鈍化を背景に中国経済の先行きに「不透明感が高まっている」と警戒を示した。レポートの要旨は以下の通り。

◆国家統計局によると、2017年1月~3月の実質GDP成長率は前年同期比6.9%(以下、断りのない限り前年比もしくは前年同期比)と、0.1%ポイントずつとはいえ、2四半期連続で加速した。

◆1月~3月の小売売上は減速したが、同統計はモノに限定され、教育・医療、文化・娯楽、金融・保険といったサービスは含まれない。1月~3月の国民一人当たり消費支出統計では、教育・文化・娯楽消費支出などが大きく増加し、堅調な消費を支えている。

◆中国の景気は、消費を下支えに大きく下振れするリスクは限定的であるが、年後半には固定資産投資の鈍化を背景に、緩やかな減速が予想される。70都市の新築住宅価格上昇率は直近ピークである2016年11月、12月の10.8%から2017年3月は10.3%と、小幅ながらも鈍化した。3月中旬以降、各地方政府は一段と厳しい価格抑制策を相次いで発表しており、今後、価格の上昇ペースはさらに鈍化していこう。不動産開発投資は年後半には減速していく可能性が高い。インフラ投資に関連して、新規着工された固定資産投資プロジェクトの総投資計画額の推移を見ると、2016年前半に景気下支え策として国有部門のインフラ投資を中心にプロジェクトが一斉に認可されたが、足元ではその反動が出ているなど、先行きに不透明感が高まっている。(写真は、中国広州の新しい住宅、写真提供:(C)Guo Zhonghua/123RF)