フライトホールディングス <3753> (東2)は電子決済ソリューションを主力としている。17年3月期は大口案件が寄与して黒字化予想である。株価は2月の戻り高値圏から反落して調整局面だが売られ過ぎ感を強めている。フィンテック関連として注目され、反発展開が期待される。なお5月15日に17年3月期決算発表を予定している。
 
■システム開発や電子決済ソリューションなどを展開
 
 フライトシステムコンサルティングが13年10月持株会社に移行してフライトホールディングスに商号変更した。14年10月にはECサイト構築パッケージソフトのイーシー・ライダー(14年11月DRAGON TECHNOLOGYから商号変更)を子会社化した。
 
 システム開発・保守などのコンサルティング&ソリューション(C&S)事業、電子決済ソリューションなどのサービス事業、B2B向けECサイト構築パッケージなどのECソリューション事業を展開している。16年3月期セグメント別売上高構成比(連結調整前)はC&S事業29.6%、サービス事業68.6%、ECソリューション事業1.9%だった。
 
■電子決済ソリューション分野に強み
 
 電子決済ソリューション分野では、スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末「incredist(インクレディスト)」と、スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」を展開している。
 
 スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」は、iPhoneやiPadをクレジットカード決済端末に利用する大企業向け国内初のBtoB決済ソリューションである。10年9月に提供開始し、高級ホテル・レストラン・観光タクシー・旅行代理店など幅広い業種に導入されている。
 
 13年4月にはJ-Debit、電子マネー、銀聯カード、クレジットカードといったカードの読み取りを1台で実現できる、スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末「incredist」を販売開始した。
 
 16年11月にはフライトシステムコンサルティングが電子決済事業に関して2つの技術(複数暗号鍵の切り替えに関する特許、無線を使った複数機器の設定に関する特許)で特許権を取得した。
 
 17年2月にはフライトシステムコンサルティングが電子決済事業に関して、複数加盟店の切り替えに関する特許権を取得したと発表している。導入先企業で複数の加盟店契約を取り扱ううえで、決済端末を複数台用意するのではなく、iPad等のアプリケーション内で加盟店契約を切り替えるという機能を実現した。
 
■アライアンスも活用して事業展開
 
 15年9月イーシー・ライダーがラクーン <3031> と業務提携して、イーシー・ライダーのBtoB向けECサイト構築システム「EC-Rider B2B」とラクーンのBtoB掛売り・請求書決済代行サービス「Paid」を連携した。
 
 15年12月フライトシステムコンサルティングが、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」の法人モデル「Pepper for Biz」向けロボアプリパートナーとして認定された。
 
 16年4月イーシー・ライダーがportia(ポーシャ)と業務提携し、BtoB向けECサイト構築システム「EC-Rider B2B」とポーシャの企業向けオンラインリアルタイム決済システム「portia」を連携した。またイーシー・ライダーがGMOインターネット <9449> のクラウドサービス「ConoHa byGMO」を基盤に採用した「EC-Rider B2B」新プランを発表した。
 
 17年2月にはフライトシステムコンサルティングがジェナ(東京都)と、人型ロボット「Pepper」の法人モデル「Pepper for Biz」に関するプログラムを、WEBブラウザによる操作だけで開発可能なクラウドサービス「Scenaria(シナリア)」を共同開発し、さらに「Scenaria」を事業化するためジェナと業務提携したと発表している。
 
■海外展開も加速
 
 14年12月「ペイメント・マイスター」および「incredist」の拡販に向けて米国子会社FLIGHT SYSTEM USAを設立した。ICチップ付きクレジットカード決済(EMV決済)やApple PayなどのNFC決済においてグローバル展開を推進する。15年12月にはアジアを中心とした電子決済ソリューション事業展開に向けてFLIGHT台湾を設立した。
 
 16年5月にはフライトシステムコンサルティングが、EUでクレジットカード・アクワイアリング事業を行うCredoraxと業務提携した。フライトシステムコンサルティングの「ペイメント・マイスター」をCredoraxに接続し、クレジットカード決済装置の新製品「incredist premium」を活用したタブレット連動型カード決済ソリューションをEU圏で広く展開していく。接続完了は16年8月頃の予定としている。
 
■新製品「incredist premium」を投入
 
 15年10月フライトシステムコンサルティングが北米市場向けにタブレット連動型クレジットカード決済装置の新製品「incredist premium」を発表した。磁気クレジットカード、接触型ICクレジットカード(EMV)、非接触型ICクレジットカード(コンタクトレスEMV)、および日本独自の電子マネーに対応した決済端末である。
 
 米国子会社FLIGHT SYSTEM USAは、米国の大手決済センター事業者PIVOTALと業務提携した。PIVOTALのGlobalOneサービスと協業して、新製品「incredist premium」の北米での販売を強化する。
 
 16年3月新製品「incredist premium」の日本国内での販売を開始した。米国ではセキュリティー基準審査を依頼中であり、審査が終了次第、米国子会社FLIGHT SYSTEM USAを通じて米国での販売を開始する。
 
 16年6月にはフライトシステムコンサルティングが、スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」の新たなラインナップとして、トッパン・フォームズ <7862> のグループ会社であるTFペイメントサービス(TFPS)と連携し、電子マネー対応版「ペイメント・マイスター for Thincacloud」の提供を開始した。
 
 16年8月、タブレット向けマルチ決済装置の新製品「incredist premium」が電子マネーに対応し、第一弾としてNTTドコモ <9437> の後払い電子マネー「iD」がサービスインした。
 
 16年12月には、タブレット向けマルチ決済装置の新製品「incredist premium」が、Mastercard、VISA、AmericanExpressのコンタクトレスEMV(ICカード国際規格EMV技術を用いた非接触IC決済対応のクレジットカード)に関するブランド認定を取得した。
 
■サービス事業の大型案件が影響する収益構造
 
 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期3億59百万円、第2四半期3億円、第3四半期2億38百万円、第4四半期6億95百万円、営業利益が7百万円の赤字、58百万円の赤字、77百万円の赤字、83百万円の黒字、16年3月期は売上高が1億83百万円、2億61百万円、1億73百万円、13億38百万円、営業利益が1億43百万円の赤字、79百万円の赤字、1億33百万円、2億63百万円だった。
 
 サービス事業における大型案件の売上計上が影響する収益構造だ。15年3月期は新規大型案件の先送りが影響し、16年3月期第4四半期は新製品「incredist premium」大型案件納品が寄与した。なお16年3月期は新製品「incredist premium」大型案件納品で増収だったが、開発費発生やECソリューション事業における固定費先行などで利益は赤字が拡大した。
 
■17年3月期第3四半期累計は黒字化
 
 前期(17年3月期)第3四半期累計(4~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.4倍の21億22百万円、営業利益が4億47百万円(前年同期は3億55百万円の赤字)、経常利益が4億44百万円(同3億82百万円の赤字)、純利益が2億94百万円(同4億13百万円の赤字)だった。
 
 サービス事業における大型案件の納品が完了し、各利益とも黒字化した。売上総利益は同10.9倍となり、売上総利益率は41.3%で同28.3ポイント上昇した。販管費は同1.7%減少し、販管費比率は20.2%で同50.4ポイント低下した。なお経営資源の有効活用および有利子負債の圧縮による財務体質の改善を図るため、固定資産(投資不動産)の譲渡を決定し、減損損失72百万円を特別損失に計上した。
 
 セグメント別(連結調整前)に見ると、C&S事業は売上高が同41.0%増の5億82百万円で営業利益が47百万円(同10百万円の赤字)、サービス事業は売上高が同7.7倍の14億93百万円で営業利益が5億77百万円(同1億19百万円の赤字)、ECソリューション事業は売上高が同2.5倍の52百万円で営業利益が1百万円の赤字(同43百万円の赤字)だった。
 
 サービス事業で「incredist premium」大型案件を納品した。またApple Pay対応の準備を進める顧客向けスマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」ライセンス販売も拡大した。C&S事業では大型仕掛り案件だったデータセンター移転案件の納品が完了した。
 
 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期2億02百万円、第2四半期8億35百万円、第3四半期10億85百万円、営業利益は1億03百万円の赤字、2億26百万円、3億24百万円だった。
 
■17年3月期通期予想は大型案件寄与して黒字化
 
 前期(17年3月期)通期の連結業績予想(2月9日に再増額修正)は、売上高が前々期(16年3月期)比58.5%増の31億円で、営業利益が5億10百万円(前期は92百万円の赤字)、経常利益が5億円(同1億28百万円の赤字)、純利益が3億50百万円(同1億62百万円の赤字)としている。
 
 サービス事業において「Apple Pay」の国内サービス開始に伴う特需があり、関連したライセンス販売拡大や「Apple Pay」利用に関する各種開発が見込まれる。また「incredist」の原価低減も寄与する。配当は無配継続としている。今期(18年3月期)も収益拡大が期待される。
 
■株価は売られ過ぎ感、調整一巡して反発期待
 
 株価の動きを見ると、2月の戻り高値1790円から反落して調整局面だ。4月13日には1060円まで下押す場面があった。ただし売られ過ぎ感を強めている。
 
 4月14日の終値1102円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS37円01銭で算出)は29~30倍近辺で、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS32円92銭で算出)は33倍近辺である。時価総額は約104億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。フィンテック関連として注目され、調整一巡して反発展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)(イメージ写真提供:123RF)