ユーロ/円は、本日の東京市場で一時115.90円台まで下落して昨年11月14日以来5カ月ぶりの安値を付けた。日足は実に11連続陰線を記録しており、本日のNYクローズにかけて116.210円(オープンレート)以上に戻せなければ、12連続陰線引けとなる。記録的な連続陰線の背景には、(1)北朝鮮情勢の不透明感(円高)、(2)シリア情勢の不透明感(円高)、(3)仏大統領選の不透明感(ユーロ安)という3つの不透明感がある。

 (1)北朝鮮情勢については、朝鮮半島への米原子力空母の派遣に関してトランプ米大統領が「『無敵艦隊』を送った」と豪語。スパイサー大統領報道官は「先週のシリア(攻撃)で示したように、大統領が決断した時は、米国の立場を明確にするために断固かつバランスの取れた行動を取る」と述べている。これに対し北朝鮮は「米国の挑発があれば米国本土に核攻撃」と警告している。

 (2)シリア情勢については、プーチン露大統領が「(米国によるシリア攻撃と)似たような挑発が準備されており、シリア当局が化学兵器を使用したと非難するための試みが計画されている」と述べた。こうした中、本日は米露外相会談が行われる一方、今週末にはシリアとその同盟国であるロシア、イランの3者会合が開催される見通しだ。

 (3)仏大統領選については、最新の世論調査が示す支持率(第1回目投票)は、極右政党・国民戦線(FN)のルペン候補24%、中道系独立候補のマクロン氏23%、急進左派のメランション氏19%、右派候補のフィヨン氏18.5%と四つどもえの様相で、ルペン氏とメランション氏による決選投票の可能性も排除できない情勢となっている。反移民・反ユーロのルペン氏と、NATO離脱や富裕層への課税強化を掲げるメランション氏による一騎打ちは、市場が最も警戒するシナリオだ。

 こうして見ると足元のユーロ/円相場には、ショートカバー以外の買い材料を探すのが難しい事がわかる。200日移動平均線が位置する117.70円台を超えるには、3つの不透明感のうち少なくともひとつが解消される必要があるだろう。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)