アジア時間に111円台半ばを超えたドル円だったが、上値は重く反落。110円81銭までドル売りが進む。長期金利の低下やフランス大統領選の不透明感が重石に。ユーロドルもフランス大統領選でルペン候補の支持率が高まっているとの報道に、1.0573まで売られる株式市場はほぼ変わらず。アジアや中東で地政学的リスクが増していることで様子見気分が拡大。ダウは1ドル上昇し、他の主要指標も小幅に上昇。債券相場は反発したものの、上昇幅は小幅。金は反落。原油は地政学的リスクの高まりから続伸し、53ドル台に乗せる。

3月労働市場情勢指数(LMCI )  → 0.4

ドル/円110.81 ~ 111.41

ユーロ/ドル1.0573~ 1.0607

ユーロ/円117.46~ 117.94

NYダウ  +1.92 → 20,658.02ドル

GOLD -3.40 →1,253.90ドル

WTI   +0.84 → 53.08ドル

米10年国債  -0.016 → 2.366%


本日の注目イベント

朝   北朝鮮最高人民会議開催
独   独4月ZEW景況感指数
欧   ユーロ圏2月鉱工業生産
英   英3月物価統計

   
 110円台前半で買い、111円台前半で売るという「レンジトレーディング」が昨日の東京時間には上抜けしたことで、もしかしたら「レンジブレイク」か、との期待も膨らみましたが、結局110円台後半まで押し戻されて戻って来ました。アジアや中東での地政学的リスクの高まりに加えて、フランス大統領選も最後までわからない状況です。無いとは思いますが、「FRXIT」も意識しないわけにはいきません。

 米中首脳会談が終わらないうちに、シリアへの攻撃が始まり、さらに朝鮮半島では緊張が高まっています。そしてフランス大統領選は2週間を切ってきており、市場を取り巻く環境が落ち着きません。そのため円が買われ易い状況が続いています。110円台前半には「壁」があるかのように、この水準では反発をしますが、ブルームバーグなどの情報でも、この110円を挟んだ水準には相当のドル買い注文が並んでいるとか。しかし、過信してはいけません。為替に絶対破れない「壁」というものは存在しません。一次攻撃では跳ね返されても、何度も繰り返しているうちに抜けてしまった例はいくらでもあります。そしてそれらの例は、完全に抜けてしまうと一気に上げ下げを加速させています。底堅いとは思いますが、注意は必要です。

 昨日はイエレン議長の講演がありましたが、市場への影響はなかったようです。議長はミシガン州で講演を行い、「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」(ブルームバーグ)と述べ、米経済が巡航速度を保っているとの認識を示しました。利上げに関する発言はなく、年内あと2回の利上げがあるのかどうかも意見が分かれていますが、直近の金利先物市場から算出される利上げ確率は、6月が63.2%で、9月も82.9%と高水準を維持しています。さすがに5月のFOMCでの利上げ確率は13.3%と低くなっています。

 本日は特筆すべき材料はありませんが、北朝鮮では最高人民会議が開催されます。米原子力空母が朝鮮半島に向かっていることから、北朝鮮がさらに態度を硬化させ、挑発行為に出る可能性も否定できません。最高人民会議がリスク要因だとすれば、ドル円は再び下値を試す展開が予想されます。予想レンジは110円20銭~111円20銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)