東京タイムと同様に、米国のシリア攻撃のニュースにドル円は110円台前半まで売られたが底堅く推移。株価も大崩せず、長期金利も上昇したことで111円台で取引を終える。ユーロドルは続落。1.0581まで売られ、約一月ぶりのユーロ安水準を記録。

 株式市場は朝方にはシリア情勢や雇用統計の結果を受け下げたものの、引け値ではほぼ変わらず。ダウは6ドルの下落に留まる。債券相場は緊張の高まりを背景に上昇したものの、後場には下げに転じる。長期金利は2.38%台へと小幅に上昇。金は続伸し、原油価格も中東情勢悪化を背景に買われ52ドル台に。


3月失業率          →  4.5%
3月非農業部門雇用者数 →  9.8万人
3月平均時給         →  +0.2%
2月消費者信用残高    →   152.06億ドル

ドル/円110.14 ~ 111.36
ユーロ/ドル1.0581~ 1.0669
ユーロ/円117.37~ 117.88
NYダウ  -6.85 → 20,656.10ドル
GOLD +4.00 →1,257.30ドル
WTI   +0.59 → 52.29ドル
米10年国債  +0.041 → 2.382%

本日の注目イベント

日   2月国際収支
日   3月景気ウオッチャー調査
米   3月労働市場情勢指数(LMCI)
米   イエレン・FRB議長講演
米   IMF、世界経済見通し公表
加   カナダ3月住宅着工件数


 かなりの驚きでした。金曜日の朝方10時前、それまで111円手前で推移していたドル円が突然下落し110円14銭まで急落。すぐにその材料を探したところ、「米イラクを爆撃」とのニュースが流れていました。市場は米中首脳会談の行方を注目していただけに驚き、ドル売りで反応しました。

 ただ市場は比較的落ち着いた動きを見せ、NY市場でも110円台前半までドルが売られましたが、111円台に戻して越週しています。今回の米国の攻撃は、シリアのアサド政権側の化学兵器による一般市民殺害に対するものでした。トランプ大統領は前日にも「一線をこえた」と語っており、何らかの行動に出ることを示唆していましたが、米中首脳会談の最中だったという点では驚きでした。

 今回の行動は中国にも早期に行動するように求めた面もありますが、同時に北朝鮮に対しても、これ以上挑発を続ければ行動を起こす可能性があることを示したものと理解できます。地政学的リスクが高まり、円が買われ易い状況が続きそうですが、110円台前半では判で押したように反発しています。この水準は、日足ベースで見ても既に5回も試していますが、押し戻されており、「相当しっかりしたサポートレベル」と見られます。もちろん、だからと言って抜けないわけではありませんが、市場参加者の多くが110円台前半で買って、111円台前半では決済することを繰り返していると言えます。

 米国のシリアへの攻撃でやや存在感が薄れましたが、3月の雇用統計もやや驚きでした。失業率は4.5%で、予想を2ポイント下回り、約10年ぶりの水準でした。一方非農業部門雇用者数は、市場予想の18万人を大きく下回る9.8万人でした。これは米北東部の大雪の影響によるものとの見方もありますが、好調な米労働市場に減速の兆候が出てきたといった見方も出来、もう数ヶ月の数値を確認しなければなりません。

 ドル円は110-112円の狭いレンジ内で推移しそうですが、その中でも下値を試す可能性の方が高そうな気配になっていると思われます。シリアの報復にも注意が必要ですが、米海軍のカール・ビンソンや誘導ミサイル駆逐艦、巡洋艦など、当初オーストラリアに向かう予定だった空母打撃郡は朝鮮半島に向かっているとの報道です。これに対して北朝鮮がさらに挑発を続けるようだと、一触即発という状況になり、朝鮮半島での地政学的リスクが一挙に高まることにもなります。

 週明けのドル円は111円台前半で推移しており、特に異常な動きは見せていません。本日の予想レンジは110-111円50銭程度と見ますが、上述のように、突発的なニュースがいつ飛び込んで来るのか分かりません。ポジションの保有は慎重に行ってください。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)