トーソー <5956> (東2)はカーテンレールやインテリアブラインドの大手である。室内装飾関連事業を主力に介護用品事業も展開している。17年3月期は原価低減効果などで大幅増益予想である。18年3月期も収益拡大が期待される。株価は期末配当および株主優待の権利落ちも影響して3月の年初来高値圏から急反落したが、売り一巡感を強めている。0.5倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。
 
■カーテンレール・インテリアブラインドの大手
 
 カーテンレールやインテリアブラインドの大手である。国内市場シェアはカーテンレールが約50%、ブラインドが約15%である。
 
 室内装飾関連事業を主力としてステッキなど介護用品事業も展開し、16年3月期の事業別売上高構成比は室内装飾関連事業98%、介護用品事業2%だった。
 
 中期成長戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、高付加価値商品の拡販、インテリアトレンドに合わせた特長ある商品や省エネ・節電対応など新商品開発のスピードアップ、コスト競争力の強化、ホテルや商業施設など非住宅分野における需要の取り込み、大型物件の獲得や新興国の消費需要取り込みによる海外売上高の拡大、新規領域としての介護用品事業の拡大などの施策を強化している。
 
 なお16年1月には、フランスの子会社トーソー・ヨーロッパを解散して清算すると発表した。欧州市場の販売戦略を見直して当社からの直接取引とする。
 
■住宅関連市場の影響受ける収益構造
 
 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期53億10百万円、第2四半期55億38百万円、第3四半期53億38百万円、第4四半期62億81百万円、営業利益が9百万円、2億25百万円、1億04百万円、4億67百万円、16年3月期は売上高が48億93百万円、54億73百万円、54億57百万円、62億89百万円で、営業利益が1億69百万円の赤字、2億21百万円、1億76百万円、3億66百万円だった。
 
 新設住宅着工件数やリニューアルなど住宅関連市場の影響を受け、第4四半期の構成比が高い収益構造である。16年3月期は住宅関連市場が本格回復に至らず、円安に伴う輸入原材料価格上昇、15年9月の関東・東北豪雨(台風18号)による鬼怒川決壊に伴う協力工場の一部生産設備および資材(当社資産)の冠水被害なども影響して15年3月期比減収減益だった。
 
 売上総利益は同1.5%減少したが、売上総利益率は41.1%で同横ばいだった。販管費は同0.6%増加し、販管費比率は38.4%で同0.9ポイント上昇した。特別利益では退職給付制度改定益を計上したが、投資有価証券売却益および事業譲渡益が一巡した。特別損失では減損損失および災害損失を計上したが、厚生年金基金解散損失引当繰入額が一巡した。
 
 なおROEは2.8%で同0.4ポイント低下、自己資本比率は52.1%で同0.4ポイント低下した。配当性向は33.6%だった。利益還元は安定的な配当の継続を重視しつつ、業績および今後の設備投資計画、配当性向等を総合的に勘案した利益配分を行うとしている。
 
 セグメント別動向を見ると、室内装飾関連事業は売上高が同1.7%減の217億76百万円、営業利益が同26.2%減の5億85百万円、その他事業は売上高が同8.3%増の3億35百万円、営業利益が8百万円の黒字(前々期は6百万円の赤字)だった。
 
■17年3月期第3四半期累計は大幅増益
 
 前期(17年3月期)第3四半期累計(4~12月)連結業績は、売上高が前年同期比2.7%増の162億51百万円、営業利益が同2.3倍の5億35百万円、経常利益が同2.3倍の5億33百万円、純利益が同3.6倍の3億80百万円だった。
 
 新製品投入、展示会開催などの営業強化策、原価低減などが寄与して大幅増益だった。売上総利益は同4.0%増加し、売上総利益率は41.7%で同0.5ポイント上昇した。販管費は同0.8%減少し、販管費比率は38.4%で同1.3ポイント低下した。特別利益では厚生年金基金解散損失引当金戻入額66百万円を計上し、特別損失では前期計上した災害による損失1億13百万円が一巡した。
 
 セグメント別動向を見ると、室内装飾関連事業は売上高が同2.8%増の159億98百万円で営業利益が同2.4倍の5億24百万円だった。発売50周年を迎えた機能性カーテンレール「エリート」の新色追加、ロールスクリーンやバーチカルブラインドの新シリーズ発売、展示会やイベントの開催など積極的な営業活動を展開した。その他事業は売上高が同1.3%減の2億52百万円、営業利益が同2.2倍の10百万円だった。不採算品の見直しが寄与した。
 
 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期50億10百万円、第2四半期58億23百万円、第3四半期54億18百万円、営業利益は27百万円、2億71百万円、2億37百万円だった。
 
■17年3月期大幅増益予想で収益改善基調、18年3月期も収益拡大期待
 
 前期(17年3月期)通期の連結業績予想(5月11日公表)は売上高が前々期(16年3月期)比4.0%増の230億円、営業利益が同51.5%増の9億円、経常利益が同50.5%増の8億80百万円、そして純利益が同76.1%増の5億50百万円としている。配当予想は前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)で予想配当性向は19.1%となる。
 
 住宅関連市場は本格回復に至っていないが、新製品開発力や市場対応力の強化に取り組み、宿泊・医療・福祉施設といった非住宅領域への拡販を推進する。原価低減や総費用低減の徹底も寄与して大幅増益予想である。通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高70.7%、営業利益59.4%、経常利益60.6%、純利益69.1%でやや低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い収益構造のためネガティブ要因とはならない。通期でも好業績が期待されル。収益改善基調だろう。そして今期(18年3月期)も収益拡大が期待される。
 
■株主優待制度は3月期末に実施
 
 株主優待制度は毎年3月31日現在、1単元(100株)以上保有株主に対して1000円相当の優待品、10単元(1000株)以上保有株主に対して3000円相当の優待品を贈呈する。優待品はギフトカタログに掲載された旬の食材や生活用品等の中から1点を選択する。また環境保全活動の一環として、インドネシア共和国における「植林活動への寄付」も設けている。
 
■株価は売り一巡、低PBRも見直して戻り試す
 
 株価の動きを見ると、3月17日の年初来高値570円から反落し、さらに3月期末配当および株主優待の権利落ちも影響して3月29日の509円まで急落した。その後は510円近辺で下げ渋り、売り一巡感を強めている。
 
 4月5日の終値513円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS52円35銭で算出)は9~10倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.9%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1036円23銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約61億円である。
 
 週足チャートで見ると大陰線を引いたが、26週移動平均線近辺で下げ渋り、サポートラインを確認した形だ。期末権利落ちの売りが一巡し、0.5倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)(イメージ写真提供:123RF)