ADP雇用者数の発表を受けてドル円は111円45銭まで買われたものの、その後に発表されたFOMC議事録の内容に反応し反落。上昇していた株価がマイナスに転じたことや、長期金利の低下もドル円を押し下げ、110円56銭まで売られる。ユーロドルは前日と変わらず1.06台半ばを中心にもみ合い。

 株式市場は乱高下。ADP雇用者数の上振れを受けてダウは200ドル近く上昇したものの、FOMC議事録では株価は高すぎるとも取れる議論があったことから急落。結局ダウはマイナス41ドルで引ける。債券相場は上昇。FOMC議事録では利上げペースが緩やかになると受け止められ買われた。長期金利は2.33%台に低下。金は4日ぶりに下落。原油は小幅に続伸し51ドル台後半まで上昇。


3月ADP雇用者数       →  26.3万人

3月ISM非製造業景況指数  →  55.2

ドル/円110.56 ~ 111.45

ユーロ/ドル1.0635~ 1.0689

ユーロ/円117.84~ 118.79

NYダウ  -41.09 → 20,648.15ドル

GOLD -9.90 →1,248.50ドル

WTI   +0.12→ 51.88ドル

米10年国債  -0.025 → 2.335%


本日の注目イベント

中  中国 3月財新サービス業PMI
中  中国 3月財新コンポジットPMI
欧  ECB議事要旨
米  新規失業保険申請件数
米  習近平主席訪米、トランプ大統領と会談
米  ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
加  カナダ2月建設許可件数


 3月のADP雇用者数の発表と、FOMC議事録の公表を受けて、ドル円は「往って来い」の展開となり、結局大引けは昨日の東京タイムの水準と変わっていません。明日の雇用統計への期待は膨らんだものの、本日から始まる米中首脳会談の行方や、フランス大統領選、さらにはシリア問題や北朝鮮問題なども目先の課題として迫っており、安全通貨の円は買われやすい状況が続いていると言えます。

 3月のADP雇用者数は、事前予想の18.5万人を大きく上回る、26.3万人でした。2月に引き続き大きく上振れしたことで、米労働市場の拡大が続いていることが再確認されると同時に、明日の雇用統計も上振れ期待が高まって来ました。ドル円はこの内容を受けて111円台まで上昇し、一時は111円45銭まで買われましたが、その後に公表された3月のFOMC議事録がドルの失速を促すことになりました。

 今回の議事録は3月14-15日に、今年最初の利上げを決めた会合だっただけにどのような議論があったのか注目されていました。議事録では、大部分の当局者は4兆5000億ドル(約500兆円)のバランスシートの縮小開始につながる政策変更の年内実施を支持していました。「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」と記されています。(ブルームバーグ)

 また、株価の水準に対する議論も行われており、「一部の参加者は株価に関して、標準的なバリュエーションの指標と比較して、非常に高い水準と捉えた」とも記されていました。ADP雇用者数の上振れを受けて前日比200ドル近く上昇していたNYダウは、議事録公表後には一気に上昇分を吐き出しただけではなく、マイナス41ドルで引けています。

 ドル円も株価の動きに呼応するかのように111円45銭まで買われた後、110円台半ばまで売られ、高値から1円ほど下げました。昨日この欄でも述べましたが、111円台に乗せるとすればADP雇用者数の上振れが引き金になり易いし、111円台に乗せたとしても上値が重い展開を予想しましたが、概ね予想に沿った動きでした。ドル円は再び110円台半ばを割りこみ110円をテストする気配が漂っています。

 110円の大台割れは、今年何度も試して跳ね返されている水準です。テクニカル的に言えば、強いサポートであればあるほど一旦抜けると、その後の勢いは加速する傾向があります。110円割れには注意が必要ですが、トランプラリーの半値戻しが109円93銭であることも頭に入れておいて下さい。

 ドル円は再び短期的な下落を示す「雲抜け」を見せています。これまでと同様、粘り腰を見せて110円台は維持するのか、あるいは今回は110円割れを試しに行くのかは、今夜から始まる米中首脳会談の内容や、明日の雇用統計の結果次第ということです。

 本日のレンジは110-111円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)