ポンド/円相場に再び下落圧力がかかり始めている。2月15日に142.812円の戻り高値を付けた後は上値を切り下げる形で弱含んでいたが、先週22日には下値支持となっていた138円台半ばを下抜けた。本日は137.60円前後まで下落して、10週間ぶりの安値を付ける場面もあった。

 本日は英政府が、昨年6月の国民投票の結果に則って欧州連合(EU)に離脱の正式通知を行う予定となっている。この先2年(原則)に及ぶ、条件面や新協定に関する厳しい交渉がスタートする事になるが、英国としては移民(ヒトの移動)を制限しつつも、モノ・カネ・サービスなどの移動についてはできるだけ自国の利益を残したい考えだ。一方のEU側は、英国の「いいとこ取り」は許さないとして、他の加盟国が追随するのをけん制するためにも交渉には厳しい姿勢で臨むべきだとの声が強い。

 本日のポンド/円の下落には、スコットランド独立運動の再燃という背景もあったが、こうした離脱交渉の難航を見越したポンド売りもあったと見られる。離脱通告自体は必ずしもポンド売り材料とは言えない面もあるが、今後の交渉が英国優位に進むとの見方は少ない点を勘案するとポンドの下落基調がすぐに反転する公算も小さいだろう。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)