ドル円は110円台前半で取引が始まり、引き続き上値の重い展開だったが、消費者マインドの大幅な上振れや長期金利の上昇をきっかけに反発。一時は111円18銭までドル高が進み、ほぼ高値圏で取引を終える。前日1.09台まで上昇したユーロドルは反落。米景気への楽観的な見方が広がり、ユーロを売ってドルを買う動きが強まった。ユーロドルは1.08割れまで下落。

 株式市場は大幅に反発。消費者マインドなど経済指標が良好で、米景気のさらなる拡大が見込めるとの見方が広がり、ダウは150ドル上昇し、2万700ドル台を回復。債券相場は反落。経済指標が良好だったことに加え、フィッシャーFRB副議長が、「今年はあと2回の利上げが概ね適切」と発言したことが売りにつながった。金は反落し、原油は48ドル台を回復。


1月ケース・シラ-住宅価格指数  →  +5.73%

3月消費者信頼感指数        →  125.6

ドル/円110.18 ~ 111.20

ユーロ/ドル1.0799~ 1.0872

ユーロ/円119.69~ 120.20

NYダウ  +150.52 → 20,701.50ドル

GOLD -0.10 →1,255.60ドル

WTI   +0.64 → 48.37ドル

米10年国債  +0.04 → 2.418%


本日の注目イベント

英   英メイ首相、EU離脱手続き開始を通告
米   2月中古住宅販売成約指数
米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
米   ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演


 ドル円はひとまず110円割れは回避できたようです。昨日の東京市場でも株価の上昇に伴って、110円83銭レベルまで買われたものの、NY市場では引き続き上値が重く、110円18銭までドル売りが進みました。ただその後はドルが急反発し、底値から約1円の上昇を見せました。

 3月の消費者マインドは事前予想の「114」に対して、「125.6」と、実に16年ぶりの高水準でした。前月の「116」から上昇し、現況指数も「143.1」とこちらは2001年8月以降で最高値です。これ以外にも、リッチモンド連銀景況感指数も予想を上回り、改めて米景気の好調さが示された形です。

 この結果を踏まえたわけではないのでしょうが、フィッシャーFRB副議長はこの日、CNBCのインタビューで、FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは「概ね適切のようだ」と述べ、「それは私自身の予測でもある」と語っています。副議長はまた、金融当局は議会とホワイトハウスによる財政政策の協議を、結果に関して予断を持たずに注視していると説明しました。(ブルームバーグ)同時に、保護主義については懸念を表明しています。

 良好な経済指標に加え、フィッシャ-副議長のこの発言がドル買いのきっかけを与えたようで、ドル円は111円台に、ユーロドルは1.08割れまでドル高が進みました。1週間以上も下げ続けていたNYダウ株価指数も、昨日は150ドルを超える大幅な反発を見せ、WTI原油価格も48ドル台を回復するなど、為替を取り巻く環境もやや落ち着きを取り戻しています。

 オバマケアを撤廃し、新たなヘルスケア法案の創設に失敗したトランプ氏でしたが、一方で、これで税制改革に本腰で取り組めるのではとの見方もあります。今朝の情報でも大統領は、30日に包括的税制改革のさまざまな実行方法について、コーン国家経済会議委員長ら当局者のグループと協議をすると、関係者からの話としてブルームバーグが伝えています。

 ドル円は110円の大台割れは回避できましたが、このまま上昇に向かうかどうかはまだ不透明です。米景気の好調さは確認できたものの、トランプ大統領の経済政策の詳細が依然として見えていません。フィッシャー副議長が述べたように、米経済データがこのまま推移すれば、年内にさらに2回の利上げは十分可能だろうとは思いますが、さらに1回上乗せできるかどうかは、今後の経済政策次第というところもあります。今週中に112円台までドルが上昇すれば、再び110-115円のレンジに戻ったと判断できますが、現時点でまだ下値のリスクは残っていると見たほうがいいと思います。

 本日は3月決算銘柄の「権利落ち」にあたります。理論的には配当分に相当する価格分だけ下げるはずですが、昨日のNYでは株価が大幅に上昇しています。円安とNY株の大幅上昇は日経平均株価にとっては好材料です。果たしてその影響はどの程度になるのか・・・・。

 予想レンジは110円60銭~111円60銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)