ドル円はアジア市場でのドル安や、長期金利の低下を受け 110円11銭まで下落。ただその後は株価が下げ幅を縮小したこともあり、110円台半ばまで値を戻して引ける。ユーロドルは続伸し、昨年11月以来となる1.09台に乗せる。ドル安が進んだことでユーロの買い戻しが進んだ。株式市場はまちまち。ダウは朝方には大きく下げたが、午後には下げ幅を縮小し、それでも7日続落となる45ドル安。ナスダックは11ポイント続伸。債券相場は続伸。ヘルスケア法案の失敗で景気への期待も薄れる。長期金利は2.37%台まで低下。金は続伸し1カ月ぶりに1255ドル台を回復。原油は続落。


ドル/円110.11 ~ 110.68

ユーロ/ドル1.0862~ 1.0906

ユーロ/円119.78~ 120.32

NYダウ  -45.74 → 20,550.98ドル

GOLD +7.20 →1,255.70ドル

WTI   -0.24 → 47.73ドル

米10年国債  -0.034 → 2.378%

 
本日の注目イベント

米   1月ケース・シラ-住宅価格指数
米   3月消費者信頼感指数
米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
米   カプラン・ダラス連銀総裁講演
    
 ドル円は昨日の朝方には、これまでサポートレベルであった110円50-70銭をあっさりと割り込み、110円台前半まで円高が進みました。日経平均株価も1万9000円の大台を大きく割り込み、ドル安と株安が同時に進んだ形でした。NY市場でもこの流れを受け、株価は朝方から大きく値を下げ、ドル円も一時は110円11銭まで下げましたが、かろうじて110円割れは回避しています。トランプ政権の政策実行力に対する不透明感が急速に広がり、リスク回避の流れが拡大しました。

 トランプ相場へ期待がしぼんだことで、株安、債券高、さらには金も買われ、為替市場では円だけではなく、ユーロも大きく買われてきました。ユーロドルは1.0906までユーロ高が進み、昨年11月11日以来4カ月半ぶりの水準を記録しています。ドル安が進んだことだけではなく、ECBがテーパリングに踏み切るのではないかとの見方がじわじわと広がっていることも、ユーロ買いを促しているものと見られます。

 ドル安の流れが強まったこの日は、連銀総裁のやや「タカ派発言」も飲み込まれた格好でした。シカゴ連銀のエバンス総裁はブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで「私が自らの予測への確信をどこまで強めるかが、3回の利上げを支持し得る良い指標となろう」とした上で、「不確実性がもう少し強い場合は、2回が適切かもしれない」と述べています。

 ドル円は110円の大台割れは回避できましたが、これは昨日も述べたようにトランプラリーの半値戻しが109円93銭あたりにあることが意識されたこともあったかと思います。ブルームバーグのニュースでは109円80銭には、ドル買い注文が集まっているとの記事もあります。

 今後の動きは、やはりトランプ大統領の政策次第ということです。オバマケアに代わる新しいヘルスケア法案の成立でつまずいたわけですが、法案を取り下げたことで、今後税制改革を柱に政策を進めやすいという見方も台頭し、株価の下げを抑制している面もあります。110円台半ばで戻ってきたドル円は、この水準でもみ合って、再び110円割れを試しに行くのか、あるいはここで粘り腰をみせてゆっくりと反転に向かうのか正念場になります。本日の予想レンジは昨日と同様に、110-111円程度とみますが、「1時間足」では、雲が薄い分、雲を上抜けしやすい状況にはなっています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)