堅調な地合いが続いているドル円は続伸し、1月27日以来となる115円までドル高が進む。今夜の雇用統計が良好だとの見方や、長期金利の先高感がドル高を牽引。ECBは政策金利据え置きを決定。ユーロドルは1.05台半ばから1.06台前半まで急伸。ユーロは対円でも121円88銭近辺まで買われる。

 株式市場は4日ぶりに反発したものの小幅な上昇に留まる。米金利の上昇から不動産株の下落が重石となり、ダウ、S&P500は小幅高。債券相場は続落。5年債が一段と売られ、2011年以来となる高利回りに。長期金利も2.6%台に乗せ、10年債も弱気相場入りしたとの声も。金は8日続落。原油も大幅に続落し、昨年11月末以来となる50ドル割れに。原油在庫が拡大していたことで売られた。


新規失業保険申請件数 → 24.3万件

ドル/円114.53 ~ 115.00

ユーロ/ドル1.0543~ 1.0615

ユーロ/円121.00~ 121.88

NYダウ  +2.46 → 20,858.19ドル

GOLD -6.20 →1,203.20ドル

WTI   -1.00 → 49.28ドル

米10年国債  +0.047 → 2.607%


本日の注目イベント

独   独1月貿易収支
独   独1月経常収支
英   英1月鉱工業生産
米   2月雇用統計
米   2月財政収支

      
 ドル円が115円ちょうどまで上昇してきました。昨日もこの欄で述べましたが、111-115円のレンジ相場が上抜けするのかどうかは米金利次第ということでしたが、その金利は、10年債利回りが2.6%台に乗せたことが支えとなりドルを押し上げました。かつて米運用会社「ピムコ」で債券王と呼ばれたビル・グロース氏は、米10年債利回りが2.6%台に乗せ、その水準が週間ベースで続けば弱気相場が始まるシグナルだとブルームバーグとのインタビューで述べています。

 今週水曜日に発表された2月のADP雇用者数が市場予想を10万人以上も上回る、ポジティブサプライズだったことで、今夜の雇用統計にも上振れ期待が高まっています。労働市場の拡大が来週のFOMCでの利上げ観測にもつながり、今回の会合での利上げは「ほぼ間違いない」という見方が強まっています。また、今夜の雇用統計で賃金の上昇なども確認できれば、その次の利上げのタイミングも早まるのではないかといった見方も浮上します。

 ECBは昨日理事会を開催し、予想通り政策金利の据え置きを決定しました。ドラギ総裁は会見で「相当程度の金融緩和が依然必要」と述べ、基調的なインフレ圧力は依然として弱いとの認識を示しました。(ブルームバーグ)この発言を受け、思った以上にハト派的ではなかったことからユーロは買い戻され、1.06台まで上昇しました。

 NYで115円まで買われたドル円は、今朝方には115円17銭近辺まで続伸しています。ただここからのドル買いにはやや慎重さも必要でしょう。久しぶりの115円台ということで、輸出筋からはドル売り注文の入りやすい環境です。それをこなして上昇できるかどうかですが、今夜の雇用統計まではふたを開けてみなければ分かりません。週足チャートでは、ちょうどこの辺りに「120週線」が横たわっており、ドルの上昇を抑えているのが確認できます。このレジスタンスラインを明確に越えていけるかどうかも、一つのポイントになります。

 今夜の雇用統計の予想を確認すると、非農業部門雇用者数は20万人、失業率は4.7%、そして注目される賃金は前月比で0.3%、前年比が2.8%といずれも前回より改善していると見られています。この数字が0.5%と3.0%であれば、ドル円は115円50銭~116円あたりを試す可能性もあろうかと思います。因みに、今回が最後の日本時間22時半発表となり、次回からは21時半と、少し楽になります。ということで、本日の予想は114円30銭~115円80銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)