ドル円はイエレン議長の講演を受けて114円75銭まで上昇した。ただその後は利益確定のドル売りが優勢となり、113円83銭まで売られ、114円近辺で取引を終える。ユーロドルは反発。1.05台半ばから1.06台前半まで買われる。今週のECBの金融政策を前に、ショートの買い戻しが優勢に。

 株式市場は小幅ながら反発。イエレン議長が3月の利上げを示唆したもののほぼ変わらず。ダウは2ドル上昇し、他の指数も同様の動き。債券相場も議長の講演を受け金利が上昇したものの、引け値では小幅な低下に留まる。金は4日続落し、原油は反発。


2月ISM非製造業景況指数 → 57.6

ドル/円113.82 ~ 114.75

ユーロ/ドル1.0541~ 1.0624

ユーロ/円120.71~ 121.04

NYダウ  +2.74 → 21,005.71ドル

GOLD -6.40 →1,226.50ドル

WTI   +0.59 → 53.20ドル

米10年国債  -0.003 → 2.478%

本日の注目イベント

豪   豪1月小売売上高
中   中国 全人代
米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演


 「3月利上げが適切になりそうだ」・・・イエレン議長は3日、シカゴでの講演で、「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」と述べました。14-15日に開催される会合で、昨年12月以来の利上げが実施されると見て、ほぼ間違いない状況になって来ました。

 議長は「FOMCが後手に回っているとの兆候は現在全く見当たらない。そのため、緩やかなペースでの緩和策解除が適切になる可能性が高いとする当局判断について、私は引き続き自信を持っている」(ブルームバーグ)と発言しています。これまでもNY連銀総裁や、SFシスコ連銀総裁など、多くのFOMCメンバーが3月利上げに前向きな発言を繰り返してきましたが、議長のこの日の発言で来週の会合での利上げはほぼ確実な情勢です。因みに金利先物市場が織り込む利上げ確立は、今朝の時点で94%まで上昇しています。

 ドル円はこの発言を受け、一時114円75銭までドル高が進みましたが、その後長期金利とともに伸び悩み、下落に転じ114円割れまでドルが売られましたが、これはいわゆる「材料出尽くし」ということで、「Sell on NEWS(FACT)」と考えられます。一部の情報では、議長から今後の利上げペースの加速につながる発言がなかったことがその原因の一つだと伝えるところもありますが、議長はこのようにも述べています。

 「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」と述べており、今後の利上げペースがこれまでとは異なる可能性にも言及しています。この種の発言はこれまでにはなく、株価の上昇が続き米景気が過熱する恐れがあることを念頭に置いての発言だと理解しています。

 ドル円は米利上げを織り込む形で、114円75銭まで上昇し、その前日に記録したドルの高値を抜いています。今回の上昇は111円半ばから利上げ観測の高まりが支えとなって3円ほど上昇したわけですが、115円を前に利益確定のドル売りが出るのは、セオリー通りの動きと言えます。先の議会で、トランプ大統領は過激な発言もなく、穏便に演説を終えましたが、「トランプリスク」は依然として残っており、市場も大統領がどの程度の為替水準を許容できるのか手探りの状況です。115円というのはその意味で、ドルが上昇する上での最初の節目であるということが言えると思います。

 テクニカルで見ても115円台に乗せれば、日足の「雲抜け」を完成させることになり、上昇に弾みがつくことになりますが、今のところ「雲抜け」には失敗しています。今後はもみ合いながら、今週末の雇用統計の内容を見極めることになろうかと思います。本日の予想レンジは113円40銭~114円40銭程度とします。

 上昇を続けているNY株式市場も、このところ上昇の勢いが鈍ってきたように思えます。まだ「調整局面入り」するのかどうかの判断はできませんが、株価の動きには注意が必要です。今回のダウ上昇局面ではドル円への影響は軽微でしたが、株価が本格的な調整に入れば、リスクオフが進み、ドル円への影響は大きいと予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)