中国では、今年秋に開催が予定される今後5年間の基本方針を決定する党大会を控え、2期目になる習近平政権の新しい経済運営方針が注目されている。大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は3月1日、「中国経済:オールドエコノミーの下支えで急減速を回避」(全14ページ)を発表し、中国経済の現状を分析、また、今後を展望した。レポートの要旨は以下の通り。

 米大統領選挙後、人民元は他通貨との比較では比較的堅調に推移している。2016年2月以降、外貨準備の急減は回避されていたが、2016年11月には月間で691億米ドル減少するなど、再び減少幅が拡大し始めている。元安と外貨準備急減の組み合わせは「人民元ショック」の引き金となり得るだけに、注意が必要であろう。

 2016年の底堅い景気推移は、乗用車や住宅など、中国政府の政策がよく効く従来型産業が支えた。その素材となる鉄鋼などの生産・輸送の動向に影響を受ける「李克強指数」は大きく改善している。

 2017年秋に第19回党大会が開催される。成長率を大きく下振れさせる可能性のある大胆な改革は先送りされ、安定が最優先されることになるだろう。実質GDP成長率は2016年は前年比6.7%程度、2017年は同6.4%程度と緩やかに減速していくと予想している。

 党大会では、今後5年間の指導体制と国家の基本方針が確定する。二期目となる習近平政権の新指導体制の顔ぶれだけでなく、どのような経済政策運営の基本方針が打ち出されるのかにも注目したい。(情報提供:大和総研)(写真は習近平氏、イメージ写真提供:(C)zixia/123RF)