ドル円は下値を切り下げ、約3週間ぶりに112円台を割り込む。米長期金利の低下が続き、3月の利上げ観測が後退したことや、欧州の政治的リスクが高まったことが材料となった。ユーロドルは1.06台前半から下落。フランスでの政治的リスクの高まりからユーロが売られる。ユーロ円も118円台前半まで下落。

 株式市場は続伸。ダウは取引終了1時間でプラスに転じ、11営業日連続で高値を更新。債券相場は続伸。欧州で債券が買われたことや、米財務長官がトランプ大統領の財政出動が景気に与える影響は限定的と発言したことが買い材料につながった。長期金利は2.31%台と、約1カ月ぶりの低水準まで低下。金は続伸し、原油価格は反落。


1月新築住宅販売件数             → 55.5万件

2月ミシガン大学消費者マインド(確定値)  → 96.3

ドル/円111.93 ~ 112.48

ユーロ/ドル1.0557~ 1.0617

ユーロ/円118.24~ 119.10

NYダウ  +11.44 → 20,821.76ドル

GOLD +6.90 →1,258.30ドル

WTI   -0.46 → 53.99ドル

米10年国債  -0.060 → 2.312%

 
本日の注目イベント

欧   ユーロ圏2月消費者信頼感(確定値)
米   1月耐久財受注
米   1月中古住宅販売成約指数


 ドル円は約3週間ぶりに112円を割り込み、先週末のNY市場では111円93銭まで円高ドル安が進みました。米長期金利の低下がひびいてドルが売られ、その中でも円に対しては避難通貨としての需要もあったようです。

 フランス大統領選を巡り、大統領候補のフィヨン元首相が妻に不正に給与を支給したとされる疑惑で、フランス金融検察局が捜査の強化に踏み切ったとのニュースで、ドイツをはじめ欧州債が買われ、ユーロが売られたことから円買いが強まりました。ユーロは対円で118円台前半まで売られ、約3カ月ぶりの水準までユーロ安が進んでいます。

 ドル円が下値を試したもう一つの理由が米長期金利の低下です。上記欧州債が買われたこともありますが、トランプ政権の重要閣僚の一人であるムニューチン財務長官が、大統領の財政出動が米景気に与える影響は限定的だとの認識を示したことが、債券に資金を向かわせました。長期金利は2.31%台まで低下し、1カ月ぶりの低水準です。

 昨年11月の大統領選でトランプ氏が勝利して以来、ドル高と株高、さらには金利高が続き、ドル円は12月には118円66銭まで買われました。金利高がドル円を支え、「リスクオン」から円を売る動きが加速したものでしたが、その背景にはトランプ大統領の大規模な財政出動が金利上昇圧力になるとの想定が働いていました。その前提にややかげりが出てきたという状況です。

 実際にはまだトランプ大統領の財政や減税に関する詳細はわかっていません。明日にも予定されている議会での演説で、その一部が判明するかもしれません。まだ大統領に就任して1カ月余りしかたっていませんが、連日マスコミに登場し、ニュースにならない日がないほど今や為替市場にとっても最大の「材料」になっている状況です。

 そのトランプ大統領が、メディアとの対決姿勢を強めています。24日には演説で、「偽ニュースだけが国民の敵だ」と述べ、恒例となっているホワイトハウスでの「記者会の夕食会」には出席しないとツイートしたようです。これに対してCNNなどのメディアも欠席を検討していると伝えられています。

 株価の上昇は続いているものの、為替市場ではトランプラリーにもややかげりが見え、期待感も後退しつつあります。ドル円も再び下値を探る動きになっており、111円台半ばが意識される展開が予想されます。ここは2月初旬に3度試して押し戻されているレベルで、現時点ではかなり強めのサポートになっています。ここをしっかりと割り込むと、110円前後が見えてくることから、仮に今回試しに行った際には、サポートされるのかどうかが重要です。明日の大統領の演説内容が大きな材料になろうかと思います。予想レンジは111円70銭~112円90銭程度としますが、欧州時間でのユーロの動きにも注意が必要です。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)