オランダの来月予定されている総選挙。世論調査では、反移民や反EUを掲げる極右政党が第1党に躍進する可能性があると報道されています。昨年は、イギリスが国民投票でEU離脱を決定したのが記憶に新しいですが、オランダもEU離脱に向かって進むのか?その場合、また為替市場や株式市場で波乱が起きるのか?QA形式で解説いたします。

Q:オランダの総選挙とは?
A:オランダでは2017年3月15日に総選挙が実施されます。現在、オランダでは、ルッテ首相が率いるオランダ自由民主党が最大勢力なのですが、来月の総選挙では、勢力図がガラッと変わるようなショックが起きるとの予想も出始めています。

Q:オランダの来月の総選挙でどんなショックが起きそうですか?
A:旋風を巻き起こしそうなのが、反移民、反イスラム、反EUなどを主張する、ウィルダース党首率いる自由党。「オランダのトランプ」と呼ぶ人もいるほどで、既存政党やメディアを強く批判しながら保護主義を目指す点なども、たしかにトランプ大統領と似ています。その自由党が、最新の世論調査などで、第1党に躍り出るとの予測も出ています。

Q:もし本当に、オランダ自由党が勝利したら、どうなりますか?
A:移民(イスラム系の移民)を排斥する傾向が強まるでしょうし、難民の受け入れ問題もさらに混沌とするおそれがあります。また、経済面でも心配されることがあります。

Q:経済面では、どのような悪影響があるでしょうか?
A:昨年、イギリスがEU離脱を決定しましたが、彼らは、オランダでもEU離脱を問う国民投票を実施することを主張しています (以前、法案を提出したことがあるのですが、当時は大差で否決されました)。イギリスはEUに加盟しながらも、通貨はポンドを使用してきました。オランダはEUに加盟して、さらに通貨も統合されたユーロを使用しています。そのユーロ圏で、オランダは5番目の経済規模を有します (ドイツ、フランス、イタリア、スペインに次ぐ規模)。そのオランダが、もしもEUから本当に離脱して、通貨ユーロを捨てる選択をする可能性が出てくるとなれば、イギリスのEU離脱や、ギリシャ問題などを上回るショックが、世界経済を襲うシナリオも考えられるかもしれません。

Q:オランダ総選挙が世界経済ショックの引き金になる確率は高いのでしょうか? 
A:まずは、彼らが本当に来月のオランダ総選挙で第1党になれるのかどうか?また、第1党になったとしても、単独で政権をとるほどの勢いはないと見られ、連立政権を組むことができるのかどうか?組んだ場合、政策について妥協するのか?まずは、総選挙でどれほど議席を伸ばすかが注目されます。総選挙で勝利したとして、次に、EU離脱を問う国民投票を議会に提出。そこで本当に可決されたとして、国民投票が実施されるのは、また先の話になります。来月15日に、オランダ自由党が第1党に躍進した場合、いきなり大暴落が起きるほどのショックにはならないと思われますが、ただ、とりあえずの反応として、為替市場ではユーロが下落して、世界的に株価も下落するシナリオは考えられるかもしれません。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)