ドル円はアジア市場の動きを引き継ぎ上昇したものの、113円台後半では上値の重さは変わらず。株価の上昇の割には伸びず、ユーロ円などの売りに上昇を抑えられた。ユーロドルは続落。フランス大統領選でルペン氏の支持率が上昇したことを懸念し売りが強まった。一時は1.0526まで売られ、テクニカル的にも重要な値位置まで下落。

 株式市場は続伸。小売業の決算が好調だったためダウは119ドル上昇し、これで8営業日連続で最高値を更新。ウォルマート株などは大きく値を上げる。債券相場は朝方売られたものの、フランス大統領選で政治的リスクが高まったことで下げ幅を埋める。長期金利は小幅に上昇し、2.42%%台に。金は小幅に反落。原油価格は上昇し、約1カ月ぶりに54ドル台を回復。


ドル/円113.41 ~ 113.78</td></tr>

ユーロ/ドル1.0526~ 1.0552</td></tr>

ユーロ/円119.56 ~ 119.85</td></tr>

NYダウ  +118.95 → 20,743.00ドル</td></tr>

GOLD -0.20 →1,238.90ドル</td></tr>

WTI   +0.66 → 54.06ドル</td></tr>

米10年国債  +0.014 → 2.429%</td></tr>

本日の注目イベント

独   独2月IFO景況指数
欧   ユーロ圏1月消費者物価指数(改定値)
欧     企業決算 → バイエル、エアバス
英   英10-12月期GDP(改定値)
米   1月中古住宅販売件数
米   FOMC議事録(1月31、2月1日分)
加   カナダ12月小売売上高


 連休明けのNY市場では、相変わらず株式市場への資金流入が止まらず主要3指数は揃って最高値を更新しています。ウォルマートの決算が好調で、個人消費が活発だったことが示され、小売株を中心に株価が上昇しました。ダウは先週末比118ドル買われ、2万700ドル台で引けています。一方その割にはドル円の上値は重く、アジアから欧州市場でつけた113円70銭をわずかに上回る程度の伸びに留まっています。

 ドル円の上値が重いのは、欧州で政治的リスクが高まってきたのと、再びギリシャ支援問題がクローズアップされてきたからです。フランスの大統領選で、極右政党「国民戦線」のルペン党首の支持率が上昇したとの報道が「Brexit」を連想させたからです。フランスの大統領選は2回投票制で、第一回の投票は4月23日に行われます。ここでの上位2名が5月に行われる決選投票に進みます。今のところ、ルペン氏が決選投票で勝利するという世論調査はありませんが、イギリスのEU離脱と、トランプ氏の大統領選の勝利を考えると、まったく可能性がないとは言い切れません。

 そのため昨日はユーロドルでドル高が進んだものの、ドル円ではそれほどドル高が進んでいません。ユーロを対円で売ろうという動きがあったものと推測されます。NY株式市場が一段と上昇し、米長期金利も若干上昇し、「リスクオン」が進んだ割には円売りが進んでいません。

 実際一目均衡表の転換線と基準線(1時間足)を観ても、横ばいとなっており、上昇傾向は見せていません。さらにドル円の上値を抑えているのが、今週中にも発表されると見られる「トランプ税制」の中身です。法人税と所得税を大幅に減税しようというものですが、その「原資」として「国境調整税」の創設が噂されています。もしこれが創設されれば、日本からの輸出が相当ダメージを受けることになり、米国の貿易収支が大幅に改善されることが見込め、これがドル円だけではなく、日本株の上値も抑えている可能性があります。ここは発表を待つしかありません。

 本日も、本来なら米国株の上昇に日本株も引っ張られる展開が見込めるはずですが、上述のように、そのまま当てはまらない状況です。予想レンジは113円~114円30銭程度を見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)