東京海上アセットマネジメントが設定・運用する「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)(愛称:円奏会)」がモーニングスター アワード ファンド オブ ザ イヤー2016の「バランス(低リスク)型部門」で最優秀ファンド賞を受賞し、昨年の「バランス(安定)型部門」での同賞受賞に続き2年連続の栄冠に輝いた。モーニングスターレーティングは12カ月連続で最高位★★★★★を獲得しており、トータルリターンは1年間保有の場合に9割の期間で部門平均を上回ったほか、過去3年間のシャープレシオは部門内でトップとなるなど優れた運用成績が評価された。同ファンドの特徴について、東京海上アセットマネジメント運用戦略部シニアファンドマネージャーの山崎晃樹氏(写真)に聞いた。
 
――ファンドの特徴は?
 
 当ファンドは、リスク(基準価額のブレ)を年率3%程度に抑えながら、じっくりと資産形成したいという投資家の方々にご活用いただきたい商品と捉えている。基本的な資産配分比率を日本債券70%、日本株式15%、日本REIT15%とし、市場動向によりファンドの基準価額の変動リスクが大きくなった場合、日本株式と日本REITの資産配分比率を引き下げるのが最大の特徴だ。
 
 各資産の運用についても特徴がある。日本債券の運用は円建て社債を中心に投資しており、社債の銘柄調査・分析に豊富な実績を持つ運用チームの信用調査力を生かした運用を目指している。日本株式は、配当利回りを高める戦略と価格変動リスクを抑える戦略を組み合わせた運用が特徴で、日本REITは各REITの時価総額構成比を基本に、流動性や信用力などを勘案して投資比率を決定している。
 
――米国では昨年の大統領選挙以後に金利が上昇し、国内にも金利上昇圧力が強まっている。ファンドへの影響は?
 
 国内金利の上昇は、日本債券にとっては短期的にマイナスに響く。ただし、日銀は長期金利(新発10年国債利回り)をゼロ%近辺にコントロールするという金融政策を打ち出しているため、急激な金利上昇は想定しづらいと考える。また、中長期的に見れば、相対的に利回りの高い銘柄へ入れ替えていくことで、インカム収益力を高めていく効果も期待できると考えている。
 
 さらに言えば、国内景気の回復を伴う緩やかな金利上昇であれば、日本株式や日本REITの値上がりが期待でき、当ファンドは引き続き安定したパフォーマンスを維持できると考えている。
 
――2016年を振り返って運用のポイントは?
 
 1年を通して見ると、市場の急落場面ではうまくリスクを回避し、安定したリターンを残すことができたと思う。とりわけ年前半は、株価急落や円高進行、原油安、日銀のマイナス金利政策発表などをきっかけに市場が急落する場面もあったが、2月初旬および3月初旬に日本株式と日本REITの配分比率を引き下げ、組入下限の5%に迫る6%台としていたことが奏功して、当ファンドの基準価額は相対的に安定した推移となった。
 
 6月下旬のBrexit(英国のEU離脱の決定)以降、市場の変動性も落ち着き始めたことから、日本株式と日本REITの配分比率を段階的に引き上げ、2016年末には、ほぼ基本資産配分比率並みとした。11月の米国大統領選挙後は金利上昇、および、株高の展開となったが、日本株式の配分比率の引き上げが金利上昇によるマイナス要因をうまく打ち消したと思う。
 
――どのような方にファンドを持ってほしいか?
 
 中・長期の運用を前提にした場合、大きな値下がりを回避するという当ファンドのコンセプトは、資産形成において大きなメリットになると思う。運用資産全体の中での「コア」として、是非、検討いただきたい商品。
 
 また、将来のインフレ対策などを意識して、これから資産形成を始めようと考えている方にも、その第一歩として当ファンドをご検討いただきたい。リスクを年率3%程度に抑えることを目指しているため、大きな痛手を被る心配が少ない。投資対象が日本債券、日本株式、日本REITとシンプルな内容になっていることから、私たち日本人にとって理解しやすく、資産形成の第一歩を踏み出すファンドとしてふさわしいと思う。
 
 さらに、海外債券や海外REITのファンドなど海外資産を多く保有している方も少なくないと思うが、当ファンドと組み合わせることで、運用資産全体を安定させる効果を実感していただきたい。