フィデリティ投信が設定・運用する「フィデリティ・コア・インカム・ファンド(毎月決算型)為替ヘッジあり」がモーニングスター アワード ファンド オブ ザ イヤー2016の「バランス(成長)型部門」で最優秀ファンド賞を受賞した。2016年のシャープレシオ(リターン/リスク)は上位2%以内となり、リスクは部門内5%以内でリスクを抑えて効率的な運用成績を残したことが評価された。また、フィデリティグループのバランス型運用の純資産は世界トップクラスであり、レーティングも優れているという運用体制も評価の対象になった。同ファンドの特徴について、フィデリティ投信の商品マーケティング部アソシエイト・ディレクター 青木康氏(写真)に聞いた。
 
――ファンドの特徴は?
 
 長期にわたって年率5%のインカム収益が獲得できる資産を組み合わせ、資産配分比率を戦略的に変更している。組み合わせる資産は、「成長資産」である世界高配当株式等、「高利回り資産」として世界ハイ・イールド債券等、そして、「安定利回り資産」として世界投資適格債券の3資産がメインで、補助資産としてインフラ関連資産やリート、バンクローンなどにも投資することがある。
 
 コア資産に位置付けるファンドは、安定したインカム収益が必要だと考える。たとえば、当ファンドでめざす年率5%のインカム収益が継続的に積み上がったとすると、10年後には複利で計算するとインカム収益だけで63%の収益がオンされる。このインカムの積み上がりは、予め計算できる収益だ。そこに予測ができない価格変動があったとしても、このインカム収益がクッションになるため、腰の据わった長期投資が可能になる。
 
 当ファンドの投資対象資産の組み合わせで、過去20年間をシミュレーションして5年間、および、10年間の騰落率を計測すると、5年間で騰落率がマイナスになったのは米ドルベースで170回中1回だった。10年間の騰落率は、110回中でマイナスはゼロで、最小値でも36.1%、平均騰落率は97.5%という結果になった。これを円ベースで行うと、5年間の騰落率では170回中28回で騰落率がマイナスとなったが、10年間では110回中でマイナスはゼロ、平均騰落率は65.5%になった。10年間の投資を考えると、インカム収益重視のポートフォリオは、安定、かつ、成長性のあるパフォーマンスを残している。
 
――なぜ、戦略的に資産配分をすることが必要なのか?
 
 当ファンドの基本的な資産配分比率は、「安定利回り資産」40%、「高利回り資産」35%、「成長資産」25%という比率だ。個別資産の騰落率を過去5年で調べると、「安定利回り資産」は、最低値でも3.6%とマイナスリターンはなかったものの、「高利回り資産」の騰落率の最低はマイナス8.6%。「成長資産」は騰落率では最低マイナス23.1%という大きなマイナスがあった。単独で投資するより、組み合わせて投資した方が、安定性が高まる。
 
 そして、個別資産のパフォーマンスを検証すると、利上げ局面、利下げ局面など、過去の相場において、局面ごとにパフォーマンスの良し悪しが出る。したがって、景気減速・金利低下・インフレ低下の局面では、「安定利回り資産」を手厚く保有し、反対に、景気拡大・金利上昇・インフレ上昇局面では「成長資産」を中心にするなど、局面に応じて組み入れ比率を変更した方が、効率的な運用ができる。
 
――フィデリティが投資環境の判断を行って、資産配分比率を決定する効果とは?
 
 フィデリティのグローバルな調査ネットワークは、2016年12月末現在で314名の運用調査プロフェッショナルが在籍し、年間2万件以上グローバル企業を調査している。徹底した企業調査を通じて、個々の企業の月次の収益の変化、あるいは、四半期の業績見通しの変化を積み上げることによって、ある程度は世界的な景況感の変化が見て取れる。世界のGDP成長率や金利変化などマクロ経済の見通しに、グローバルでのボトムアップの調査結果を突き合わせることで、景況感の変化について一歩先を見通すことも可能になる。
 
 もちろん、ボトムアップ調査の結果は、具体的に投資するファンドを構成する銘柄の選別にも活かされる。当ファンドの過去のパフォーマンスを分析したところ、戦略的な資産配分効果によるパフォーマンスの上乗せ効果と、個別調査の結果による銘柄選別効果による上乗せ効果が概ね半々という結果になった。戦略的資産配分に、個別銘柄調査の結果を活かすメリットがわかっていただけると思う。
 
――「フィデリティ・コア・インカム・ファンド」には、「年1回決算型」と「毎月決算型」、そして、それぞれに「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」との4コースがある。この使い分けは?
 
 ひとつのアイデアとして、定年までの期間を「資産を積み上げるステージ」、定年以降を「運用しながら使うステージ」として位置付けるとする。前半の資産を積み上げるステージでは、年1回決算の「資産成長型」を使って積み上げる方が効率的だ。そして、運用しながら使うステージでは、「毎月決算型」を活用する。為替ヘッジは、為替のリスクを取る方が、その分、価格変動率が高くなるので、より高いリターンを狙うことができる。より安定したリターンを求める場合は、為替ヘッジありを選ぶようにする。
 
 たとえば、運用しながら使うというステージで、退職時に2800万円の資金があったとする。その退職時の資金を75歳まで毎年、月平均8万円を取り崩したとする。運用しなければ、75歳時に資金総額は1552万円に減っている。退職時資金を全て「フィデリティ・コア・インカム・ファンド」に投資して、月平均8万円を取り崩した場合、75歳時点での資金は3152万円に増えている。75歳以降には、医療費や介護費用など、より多くの出費が考えられるので、運用によって貯えを増やしておく意義は大きい。5%程度のインカム収益を目指す「フィデリティ・コア・インカム・ファンド」だからこそ、このような運用のイメージを持つことができる。ぜひ、このような使い方も参考にしていただき、計画的な資産形成に役立てていただきたい。