ドル円は昨日の朝方112円57銭まで下落したが、そこを底値に株価の上昇もあり反発。NYではイエレン議長の発言に113円台半ばから114円77銭近辺まで上昇。議長は年内数回の利上げに再び言及。ユーロドルは1.07台から徐々に下落。イエレン発言を受けて、1.06台前半まで下落。株式市場は高安まちまち。ゴールドマンなど、銀行の好決算があった一方、小売株などが軟調。ダウは22ドル安ながら、ナスダックは16ポイントの上昇。上昇基調だった債券は大きく反落。イエレン議長が改めて年数回の利上げの可能性に言及したことで急落。長期金利は2.43%台へ急上昇。金は反落し、原油価格も大幅に反落。

12月消費者物価指数    → +0.3%

12月鉱工業生産       → +0.8%

1月NAHB住宅市場指数  → 67

ドル/円113.19 ~ 114.77

ユーロ/ドル1.0630 ~ 1.0717

ユーロ/円120.95 ~ 121.87

NYダウ  -22.05 → 19,804.72ドル

GOLD -0.80 →1,212.10ドル

WTI  -1.40 → 51.08ドル

米10年国債  +0.104 → 2.430%

 
本日の注目イベント

豪  豪12月雇用統計
欧  ECB政策金利発表
欧  ドラギ・ECB総裁記者会見
米  12月住宅着工件数
米  12月建設許可件数
米  1月フィラデルフィア連銀景況指数
米  新規失業保険申請件数
米  イエレン・FRB議長講演
米  企業決算 → IBM、アメックス

 
 昨日のこの欄で、フィボナッチ・リトリースメントでのドルの下値のメドについて触れ、112円~110円が目先下値のメドと紹介しましたが、ドル円は昨日の東京時間午後からが113円台を回復し、海外では大きく値を戻しました。

 イエレンFRB議長はサンフランシスコで講演をし、「米経済が最大限の雇用に近く、インフレ率がわれわれの目標に向っていると言うのが妥当だ」と指摘し、「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた」と述べ、今年中に2~3回の利上げが妥当との見方を改めて述べました。昨日発表された12月の消費者物価指数(CPI)」も、前月比+0.3%で、前年同月比では+2.1%の高水準を維持しています。

 昨年からの米景気の好調さは疑うべくもありませんが、これに加えトランプ次期大統領が公約している1兆ドル(約114兆円)という大規模な
インフラ投資や法人税減税などの施策が実施されれば、これが金利上昇圧力となり、インフレが加速することも十分想定されます。もっとも、そのトランプ効果にやや陰りが見え始め、期待感が徐々に後退して来たことが、ドル円を112円台まで押し下げた面があったことも事実です。

 従って最も重要なポントは、それらの施策がどの程度実施されるのかという点と、実施のタイミングです。単なる大言壮語に終わるのか、それとも有言実行なのかということです。イエレン議長は昨日の講演の中でもそのあたりのリスクについて触れ、「金融政策の支援のレべルを緩やかに減らすのが合理的だ」が、次回の利上げのタイミングは「米経済が今後数ヶ月間に実際にどのように推移するにかに左右される」(ブルームバーグ)と述べ、大規模な財政出動が景気に与える影響が極めて大きいことを意識した発言と捉えることができます。

 ドル円は今朝早い時間に114円77銭近辺まで上昇しました。目先の底値を確認した感もありますが、118円台半ばからの下落だったことを考えると、まだ一気に115円を超えて118円を目指す展開とも思えません。短期的な動きを示す「1時間足」では、とうに雲抜けを完了していますが、「4時間足」では115円台半ばに雲があり、その前に52日線が114円90銭手前に位置しています。よって、ドル円がさらに上昇した場合には、114円台後半から115円台半ばが「抵抗帯」として意識され易いと考えられます。予想レンジは114円~115円30銭程度と見ますが、明日の大統領就任式を前に一波乱ないとは言えません。引き続き軽めのポジションでフットワークを軽くすることをお勧めします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)