ドル円はトランプ氏の会見を受けて116円台後半から一気に売られ、114円24銭をつける。会見では財政など具体的な言及がなかったことが失望の売りを誘った。その後は株価が上昇し、原油価格も大幅に上昇したことから115円台半ばまで戻して引ける。ユーロドルも朝方は売られていたものの、会見後には1.0623まで買い戻しが進む。

 株式市場は会見直後売られたもののその後切り返し、ダウは98ドル高。エネルギー株が上昇したものの、バイオ株などは売られた。債券市場は小幅ながら反発。10年債入札が好調だったことからしっかり。長期金利は小幅に低下し、2.37%台に。金は3日続伸。原油価格は反発し前日の下げ幅を埋め、52ドル台に。

ドル/円114.24 ~ 116.87

ユーロ/ドル1.0454 ~ 1.0623

ユーロ/円121.24 ~ 122.33

NYダウ +98.75 → 19,954.28ドル

GOLD  +11.10 →1,196.60ドル

WTI  +1.43 → 52.25ドル

米10年国債  -0.006 → 2.370%


本日の注目イベント

日  11月国際収支
日  12月景気ウオッチャー調査
独  GDP(2016年)
欧  ユーロ圏11月鉱工業生産
欧  ECB議事要旨
米  新規失業保険申請件数
米  ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演
米  ロックハート・アトランタ連銀総裁講演


 NYのトランプタワーで行われたトランプ氏の会見に、市場はひとまず失望で反応しました。会見では財政や外交など具体的な政策はなく、ドル円は116円台後半から一気に114円24銭まで下落。株式市場も下げで反応しましたが、原油価格がしっかりしていたこともあり、結局ダウは前日比98ドル高で取引を終え、ドル円も115円台半ばまで戻しています。

 トランプ氏はこれまでの発言を繰り返し、メキシコとの国境の壁に関しては「メキシコに壁の費用を負担させるが、後で米国に払い戻す形になる」などと述べ、これまでの強硬姿勢を維持しています。また、自身のお金と私的な行為についての不名誉な疑惑については、ロシアに弱みを握られていないと断言し、「ばかげている」と、米メディアがトランプ氏の不名誉な情報をロシアが集めていたとする報道を一蹴しています。

 全体的にみれば、今回の会見はこれまで通りの強気姿勢と、自身の疑惑に対する弁明の場になっただけという印象で、市場の期待とはかなりの距離があったと思われます。もっとも、これまでの言動から何が飛び出すのか「予想不能」の面も十分あったことから、この日の市場の混乱は最小限にとどまったと言えます。

 今回の記者会見で、トランプラリーが終わったのかどうかのヒントが得られるのではないかと期待もしていましたが、結論的に言えばその判断はできなかったということになります。ドル円は一時昨年12月9日以来となる114円台前半まで円高が進みましたが、115円台半ばまで戻しており、昨日の朝方より若干円高水準ですが、大きな変化はありません。NYの株価は主要3指数とも反発しており、2万ドルの大台達成を前に足踏みが続いていたダウは、再び大台まで46ドルと迫ってきました。

 また50ドル台まで下落したWTI原油価格も昨日は反発して52ドル台まで反発しています。このように見ると、まだリスクオンの流れが続いていると見られますが、気になるのは米債券市場の動きです。リスクオンが継続しているとすれば、昨日のセンチメントでは債券が売られ金利が上昇してもおかしくはなかったと思われますが、昨日は10年債入札が好調で、市場には「トランプ・トレードの見直し買い」といった声も出ているようです。

 一時は2.6%台まで上昇した米長期金利は、今年に入ってからは2.3~2.4%台で底堅く推移しています。トランプラリー終焉の動きかどうかは分かりませんが、今後とも米金利の動きには注意が必要なことは確かです。長期金利が2%に向っているとするなら、ドル円も110円に向う可能性があるからです。

 本日はひとまず米国株が下げ止まったことから、仮に115円を割り込んでも昨日のNYほどの下げにはならないと思われます。上値の重さは相変わらずですが、114円50銭~116円程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)