注目の米大統領選挙は、本稿執筆時点で共和党トランプ候補の勝利がほぼ確実な情勢となっている。民主党クリントン候補の勝利を先読みして5.796円まで上昇していたメキシコペソ/円は、開票速報が伝わるにつけて反落。一時4.878円まで下値を切り下げて下落率は最大で15.8%に達した。トランプ候補はメキシコが米国の雇用を奪っていると主張し、メキシコからの移民流入を防ぐために「国境に壁を作る」などと繰り返し公言してきた。こうした人物が米国の次期大統領に就任するとなればメキシコ経済は厳しい状況に立たされる。

 暴落の反動からアジア市場終盤はペソを買い戻す動きがやや優勢となっており、メキシコペソ/円は5.0円台を回復しているが、現段階では買戻し以外にペソを買う理由が見当たらないのが実情だ。クリントン候補の敗北宣言などをきっかけにペソ売りが再開しても不思議ではないだろう。ただしその場合は、メキシコ中銀の市場介入に注意が必要となる。同中銀は今年2月のペソ安局面でペソ買い・ドル売り介入と同時に、緊急利上げを行って通貨防衛に動いた実績がある。(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)