ドル円は105円近辺から一気に104円を割り込み、103円80銭まで下落。ABCとワシントンポスト紙が大統領選でトランプ氏がリードしていると報じたことがきっかけ。ユーロドルも上昇。1.10台を回復し、1.1069までユーロ高が進む。

 大統領選への懸念が強まり、ダウは一時200ドルを超える下落。引け値では1万8000ドルを維持したが、前日比105ドル安。債券相場は上昇する場面があったものの、引けではほぼ変わらず。長期金利は1.82%台で小幅に上昇。ドルが売られたことで金は大幅に上昇。原油は続落し1カ月ぶりの安値となる46ドル台半ばまで下落。

10月ISM製造業景況指数 → 51.9

ドル/円103.80 ~ 104.96

ユーロ/ドル1.1009 ~ 1.1069

ユーロ/円114.89 ~ 115.68

NYダウ   -105.32 → 18,037.10ドル

GOLD +14.90  → 1,288.00ドル

WTI  -0.19 →46.67 ドル

米10年国債   +0.002→ 1.827%

本日の注目イベント

豪   豪9月住宅建設許可
日   10月マネタリーベース
独   独10月雇用統計
欧   ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
米   10月ADP雇用者数
米   FOMC 政策金利発表

 105円を挟んでもみ合っていたドル円は一気に104円台を割り込み、103円80銭までドル安が進みました。最大の懸念材料であった米大統領選の行方に暗雲が立ち込め、市場がひとまずリスク回避に動いたことが背景です。

 米ABCとワシントンポスト(WP)紙は、大統領選支持率の調査結果を発表し、その結果、トランプ氏に対する支持が46%で、クリントン氏の45%を僅かですが1ポイント上回ったことで、市場に動揺が広がりました。ABCとワシントンポストは投票に行く見込みの有権者1128人を対象に10月27-30日に電話インタビューで調査を実施したとあります。(ブルームバーグ)クリントン氏の私用メール問題で、FBIが再調査を行うと発表したのが10月28日でした。それまでは、クリントン氏が余裕をもって勝利すると見られていただけに、この問題でクリントン氏の支持率が急低下したことは明らかです。

 この報道を受け、安全資産の債券にはそれ程資金は向わなかったようですが、リスク資産の株が大きく売られ、ダウは一時200ドルを超える下げを見せました。それに伴い、安全通貨の円が買われ、ドル円は一気に103円台まで売られています。まさに「トランプショック」と言ってもいいと思いますが、今後のFBIの捜査次第では可能性はかなり低いとは思いますが、「Brexit」の再来をイメージする状況もあるかもしれません。

 ドル円の急落は、このところ上昇していたといっても105円台半ばでは上昇を抑えられ、105円台で一日の取引を終えたことがなかったことも、一旦ドルが下げたらドル売りが加速した力にもなったようです。テクニカルを見ると、昨日の下げはこれまで上値を抑えていた「120日線」で下げ止まっています。これまでの抵抗線は一旦上抜けすると、今度は支持線として機能する傾向があります。昨日の下落もこのレベルで止められており、テクニカルが機能していると言えます。仮にこの水準を割り込んだとしたら、次は雲の上限である103円50銭前後がサポートされると見ています。

 米大統領選で混乱がなければ、ドル円は緩やかに上昇すると予想していますが、上で述べたように、クリントン氏の私用メール問題が再度表面に出てからは、両者の支持率は拮抗しているはずです。既に期日前投票も始まっています。これで最後の最後までどちらが勝つかは、非常に不透明になってきました。6月24日にイギリスがEU離脱に関する国民投票を行った状況に酷似してきました。ブラックスワンに対する備えも、一部でも行っておいた方がいいのかもしれません。本日は、このところ堅調だった日本株も大きく下げるでしょう。

 予想レンジは103円40銭~104円50銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)