「アメリカと決別する」と発言するなど、世界を騒がせているフィリピン大統領。このままアメリカとの関係が悪化しますと、フィリピン経済が厳しい状況に陥るリスクもありそうです。

■フィリピン大統領「アメリカと決別」発言
先週末、北京で、中国とフィリピンの首脳会談が開催され、中国から2.5兆円規模の経済協力の合意を得て舞い上がってしまったのか、フィリピン大統領は「アメリカと決別する」と発言。先月は、オバマ大統領を侮辱する発言をしたばかりですし、さすがに看過できない状況です。

■フィリピン経済は悪化?
「アメリカと決別する」と発言した翌日には、「アメリカと外交関係を断つという意味ではない。言いたかったのは外交政策における決別だ」などと釈明しましたが、経済分析の観点からいえば、フィリピンのアメリカへの経済的依存度は高いので、外交政策で距離を置けば、経済的にも苦しくなることは避けられません。

■フィリピンペソ急落中!
その証拠にまず、為替市場では、フィリピンペソが大幅安となっています。8月末と比較して対ドルで4%超も下落しています(米ドル円にたとえるなら、4~5円ほど急落したイメージ)。今回ちょっと急落しているだけなら、さほど問題ではないのですが、そもそも3年ほど前から、フィリピンからの資金流出とペソ安の流れが続いていて、懸念され始めていた状態での、さらなるペソ安ですので、経済的には一段とマイナスの影響が及ぶことが想定されます。

■フィリピン経済に好転の兆し見当たらず
フィリピンの輸出統計は、前々月はマイナス13%、前月はマイナス4%と悪化しており、貿易収支も毎月、多額の赤字を重ねています。現在のフィリピン大統領は、今年6月に就任したばかりですから、まだ、彼のせいで経済が悪化しているとまでは断定できないと思いますが、少なくとも、彼が就任してから3カ月以上経過して、経済面で、特に好転の兆しが見当たりません。フィリピンの株価も7月以降、下落基調が続いています。今後も、フィリピン経済にとって、過激な言動を続ける大統領の存在こそがリスクといえるかもしれません。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)