2016年6月17日、上海にディズニーリゾートが開業した。東南アジアでは東京・香港に次いで3番目、ただ特記すべきは中国という「東洋文化」の中に、欧米のエンターテインメントが中国という東洋文化の国にどんなインパクトがあるのか?

 今回は、経済と社会の2面からこの意味について考えてみたい

1.ゾンビ企業を淘汰する方策を模索する機会に

 ディズニーリゾートの開業に伴い、中国国営の新華社通信がこんな興味深い記事をだした。「ディズニーリゾート、米国流の娯楽施設が、苦境にたつ中国の経済改革の一助になる」ディズニーによる経済効果による改善であれば、主旨は理解できるのですが、経済改革となれば話は違う。

 なんとも結びつきにくい話だが、論点は売れ筋の「ローストチキン」を例にだしていた。キーワードは「高品質と標準化」によるサービスの提供、事前に用意周到な市場調査と商品の特長を中国人のように見せる方策を徹底的に考えている点である。新華社は、需要の変化に供給が対応することを供給サイドの改革と位置付け、今こそディズニーの市場重視と製品の画一化をその見本として学ぼうという姿勢である。

 中国も資本主義でいつかやってくる景気後退を意識しなかった日本が歩んできた道と同じように、イケイケドンドンによる過剰生産設備により、儲からない企業が、経済成長停滞に伴い、ゾンビ化している。これは、市場や価値を見出さずにただただ走ってきたツケがある事を示しているが、その路線を大きく変える岐路にしたいとの事である。

2.著作権を大切にする橋頭堡になるか

 もうひとつは著作権の保護である。人気キャラクターに代表されるディズニー関連の商品や施設は、中国の観光産業とサービス業の質の向上の起爆剤になる。 ただコピー大国の中国「模倣品が当然」の中国でどのくらい国あげての著作権保護が守られるのだろうか?

 ちなみに、市民の意見も2分しているようである。「大切な物だから、多少高くでも正規品を購入する」一方で「子供はすぐにあきる、いい物を買う必要はない、コピー商品で十分だ」米国が中国に進出する際にも、コピー問題は避けて通れない問題である。そこで、今回のディズニーリゾート開業は一石を投じる絶好の機会になったと判断する。

3.2つの壁の課題の乗り切りに期待

 中国経済停滞の一番の課題である、ゾンビ企業への対策、著作権を守る文化の育成、ディズニーリゾートの上海進出が中国の抱える大きな2つの壁を超える契機にぜひなって欲しいと考えるのは著者だけではないはずである。(執筆者:日本経営管理教育協会・大森啓司 編集担当:サーチナ編集部)(イメージ写真提供:日本経営管理教育協会。写真:日本のディズニーリゾートにあるクリスタルスカルの魔宮)