ドイチェ・アセット・マネジメントの「DWS グローバル公益債券ファンド(毎月分配型)Bコース(為替ヘッジなし)」(★★★★:評価基準日5月31日)が、毎月40円の分配金を安定的に出している。マイナス金利で魅力的な利回り獲得が困難になる中、基準価額(1万500円程度)に対する分配金利回りは年率4.58%に相当する。ドイチェ・アセット・マネジメントの共同チーフ インベストメント オフィサーの加藤善将氏(写真)は、同ファンドについて「事業の安定性が期待される世界の公益企業・公社が発行する債券に投資しながら、主要先進国国債を上回る利回りの獲得を目指すファンド。資産運用のコア(核)としてご検討いただきたい」と語っている。

 ――ファンドは2013年2月以来、約3年半にわたって毎月40円の分配金を出し続けている。今年5月末基準で過去5年の年率トータルリターンが8.55%と大変優れた運用成績を残しているが、この安定した収益の理由は?

 ファンドの主たる投資対象になる公益債券とは、電力・ガス・水道など公益性の高い事業を行う企業や公社等が発行する債券。電力や水道などのサービスは日常生活に不可欠で、参入障壁も高く価格競争が起きにくい。景気に左右されにくく、長期に安定した収入が得られる事業の代表格といえる。このため、公益債券は投資適格社債の中でもデフォルト率の低い債券として知られている。

 利回りの水準は、先進国の国債利回りに2%程度上回る水準で取引されている。たとえば、米国10年国債は年1.6~1.8%、ドイツ国債は0~0.3%、日本国債はマイナス圏利回りにあるが、ファンドの最終利回りは3.0~3.1%を確保している。ファンドの組み入れ債券の平均格付けは現在、A格相当以上になっており、年3%台の利回りは魅力的と考えられる。

 ――運用体制の強みと銘柄選択の特徴は?

 世界の公益債券を広く投資対象とし、利払いの安定性と魅力的な利回りを重視して銘柄を厳選している。ドイチェ・アセット・マネジメントのグローバル・ネットワークを活かし、クレジット・スペシャリスト(信用リスクを分析する専門家)が、新興国を含む世界各国の公益事業を調査し、一元化システムによって、どの運用拠点でも常に最新の情報に基づく投資判断ができるようになっている。公益セクターだけでも13名のスペシャリストが担当し、川上・川中・川下の全ての事業をカバーしていることも特徴だ。

 たとえば、日本でも電力自由化によって様々な企業が電力の小売りを手掛け始めたが、これは川下で始まった新たな変化といえる。発電や取水施設などの川上、また、送電線やパイプラインなどの川中の分野は、依然として国などの規制が強く、かつ、巨額の設備投資が必要で新規参入の難しい分野といえる。世界の各地域で起こっている変化も捉えながら、魅力的な銘柄を選んでいる。

 ――英国のEU離脱決定を受けた今後の公益債券の投資環境は?

 英国の国民投票は予想外の「EU離脱」が決定し、リスク回避的な動きが大幅に加速したことを受けて世界的にマーケットは下落した。為替もリスクオフ環境から円が買われやすく、公益債券市場にとって目先のボラティリティは高まりやすいだろう。しかし、市場が落ち着き次第、投資適格社債の中でもデフォルト率が低くディフェンシブ性の高い公益債券には、世界的な低金利が続く中で引き続き根強い投資ニーズが見込まれる。今回の国民投票結果を受けて、米国では利上げに慎重になる可能性が高まり、公益債券市場にとっても追い風となりそうだ。公益債券セクターは引き続き底堅く推移すると期待される。

 ――「DWS グローバル公益債券ファンド」は、御社が受けとる信託報酬の一部を盲導犬や介助犬の育成のために寄付している。このような取り組みの狙いは?

 公共性の強い事業に投資するファンドの特性を考え、投資家と共にファンドを通じた社会貢献を実施することを目指し、年に一度の両協会への寄付を継続している。現在、日本では3000人の方が盲導犬との歩行を希望されているものの、活躍する盲導犬の数は966頭(2016年3月31日現在)にとどまる。介助犬にいたっては1万5000人の方が必要としているにもかかわらず、実働数はわずか73頭(2016年6月1日現在)しかいない。設定から5年間での寄附金は累計で約950万円になった。これからも、盲導犬・介助犬の育成普及に向けて寄付活動を続けたい。

 このファンドは、値動きの安定性と相対的に高い利回りを同時に追求することを目的として運用している。長期に安定的なパフォーマンスを獲得するコア(核)資産として検討していただきたい。過去1年間は為替が円高に振れた関係でパフォーマンスはマイナスのリターンになった。為替をフルヘッジしたAコース(★★★、評価基準日:5月31日)もある。世界的に低金利の今こそ、公益債券の優位な利回りに注目してほしい。