中国メディアの新華毎日電訊はこのほど、高速鉄道の縁の下の力持ちである「軌道スラブ」にスポットをあて、中国開発の「CRTSⅢ型プレテンション方式プレストレスト軌道スラブ」が完全な自主知的財産権を持つ製品であり、今後は中国高速鉄道に全面的に採用されていく見通しであると説明している。

 軌道スラブとは長さ5m、幅2m、厚さ20cm程度の鉄筋コンクリート版だ。これをコンクリート路盤に敷き並べ、その上に弾性締結装置を介して直接レールを敷設する方式をスラブ軌道と呼ぶ。日本の新幹線や台湾高速鉄道にも採用されている。

 この記事はCRTSⅢ型軌道スラブが「完全な自主知的財産権を持つ」製品だということを強調している。一部資料によればⅠ型は日本の技術を採用しており、Ⅱ型はドイツの技術を採用したものだ。Ⅲ型は「Ⅰ型、Ⅱ型のアップグレード製品」なのだという。

 Ⅲ型は従来製品を上回る性能を持っており、記事はスラブ軌道技術において「外国技術依存から脱却した」と指摘。高速鉄道は今や国家を代表する製品となっているだけに、完全な自主知的財産権を持つ軌道スラブを開発できたことは中国にとって非常に大きな意義があるということだろう。

 車両がどれほど優れていても、車両が走る軌道が使用頻度や環境条件によって簡単に歪むようではシステム全体の価値を大きく落とすことになる。軌道は車両ほど注目されないが、まさに縁の下の力持ちとしての非常に重要な役割を担う。中国高速鉄道の車内に置いたカップのコーヒーがこぼれないという「魔術」が可能なのは、スラブ軌道の存在によるところが大きいと記事は指摘している。

 記事はこの点について軌道スラブのエンジニアのコメントを紹介、エンジニアは「旅行客は軌道にどんな努力が払われているか気に留めないが、我々はこの見えない部分のために必死で世界レベルのイノベーションを成し遂げた」と述べ、軌道スラブの重要性と完全な自主知的財産権を獲得したことの大きな意義を強調した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Yang Yu/123RF.COM)