ドル円は113円台後半から急落。イエレン議長が利上げに対する慎重な姿勢を示したことで、112円61銭まで売られる。

 ドルが売られたことからユーロドルも反発。約10日ぶりに1.13台までユーロ高が進む。

 利上げ観測が後退したことから株価は続伸。ダウは3日続伸し、1万7600ドル台まで買われ、年初来高値を更新。
 
 債券相場も続伸。イエレン議長の「ハト派」発言を材料に買われ、長期金利は1.80%台まで急落。

金、原油はともに続落。

1月ケースシラー住宅価格指数 → +5.75%

3月消費者信頼感指数     → 96.2

 
ドル/円112.161~ 113.59

ユーロ/ドル1.1180 ~ 1.1303

ユーロ/円126.78 ~ 127.43

NYダウ  +97.72  → 17,633.11ドル

GOLD -1.50  → 1,220.10ドル

WTI  -1.11    → 38.28ドル

米10年国債-0.082   → 1.804%


本日の注目イベント

日   2月鉱工業生産
独   独3月消費者物価指数(速報値)
欧   ユーロ圏3月景況感指数
米   3月ADP雇用者数
米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演

 4人のFOMCメンバーが揃って、利上げに前向きな発言を繰り返し、ドル円は113円台後半まで緩やかに上昇しましたが、昨日のイエレン議長の講演で、利上げ観測が後退し一気に円高に振れています。一時112円61銭までドルが売られ、再び111-114円のレンジに押し戻された形です。

 イエレン議長はNYのエコノミッククラブで講演し、「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」と発言し、政策金利が再びゼロになった場合にFOMCには政策を緩和する「かなりの余地がなおある」と指摘しました。(ブルームバーグ)米金融当局が利上げを慎重に進めることが適切との認識が示されたことで、予想以上に「ハト派」と受け止めた市場は、ドルを売り、株式と債券を買い、その結果長期金利が低下しました。

 市場には、場合によっては4月にも利上げがあり得るのではないかといった雰囲気が支配的だっただけに、冷や水を浴びせられた格好になりましたが、この景色は以前にも見たことがある景色で、2月の議会証言後の動きと酷似しています。FOMC内でも、イエレン議長が特に「ハト派色」が強いような印象が残っています。

 これでドル円も再び振り出しに戻った感があります。114円にも届かず戻ってきたドル円は、今度は下値をトライすることになるかもしれません。ただ、米経済指標を見る限りそれほどドルが売り込まれる状況ではありません。昨日も3月の消費者マインド指数が発表されましたが、景気の先行きに関するマインドは決して悪くはありません。またイエレン議長に近いサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は昨日、米経済は世界経済の成長減速を乗り切りつつあると見受けられると述べるとともに、米金融当局が緩やかなペースで利上げするとの見通しを改めて示しています。

 今週末には3月の雇用統計が発表され、この結果が4月のFOMCに大きな影響を与えることには変わりはありません。昨日のイエレン発言を受けた今でも、利上げの可能性は五分五分と見られます。結局、雇用統計次第ということです。

 テクニカルを見ても特段明確なヒントは得られません。下値のサポートは「1時間足」の200日線がある112円45銭あたりと、「4時間足」の雲の下限である、12円35-40銭近辺がひとまず重要と見られます。予想レンジは112円20銭~113円20銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)