かつて中国は人件費の安さを強みとして世界各国から企業を誘致し、製造業を発展させてきた。だが、近年は人件費の高騰が続き、一部企業はすでに中国から東南アジアなどへ製造拠点を移しており、中国製造業は構造転換を求められている。

 中国メディアの百度百家はこのほど、中国が強みとしてきた「製造コスト」の安さはすでに失われており、中国製造業における「製造コスト」はすでに米国と同程度の水準にまで上昇していると指摘し、中国製造業の将来を考えると恐ろしいことだと論じた。

 記事は、中国で生活している立場では「中国の人件費が日本より高いとは到底信じられない」と伝えつつ、人件費そのものは今なお米国や日本を下回っているのは事実と指摘。それでも中国製造業の「製造コスト」が米国と同水準である背景には生産性の差があるとし、中国は生産性が低いため相対的にコストがかかり、米国が1ドルで生産できるものが、中国では96セントもかかってしまうと論じた。

 続けて、米中の製造コストが同等となってしまった以上、中国が生産する製品には、もはや「価格優位」は存在しないと指摘したうえで、中国がコスト優位を失った背景には人件費の上昇のほか、不動産価格の高騰、増大する税負担といった要因のほか、生産効率の低さがあると指摘。中国では今なお立ち遅れた技術が多いうえに、人材が流動的であるため熟練工が育たず、人材は育ってきたころに辞めてしまうと伝え、こうした要因によって中国製造業の生産性は米国に到底及ばない状況だと論じた。

 記事は、中国経済にとって製造業は中核的な産業であり、サービス業も製造業を取り巻いて発展していると指摘。中国製造業の競争力が失われ、製造業全体が危機に見舞われれば中国経済のエンジンが失われることを意味すると指摘し、中国製造業の競争力が失われつつあることに危機感を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)