ドル円は東京市場の流れを引き継ぎ、113円台後半で推移したが、FOMC後に急落。利上げ見通しが引き下げられたことからドル売りが活発になり、112円34銭まで下落。

 ユーロドルもFOMCの結果を受け、ユーロ買いドル売りが強まり、1.1244まで上昇。ECBの追加緩和発表後の高値を抜く。

 株式市場は利上げペースの減速が示唆されたことから続伸。ダウは74ドル上昇し、S&P500は年初来高値を更新。

 債券相場も続伸。年内の利上げ回数が減少する見通しを好感し、長期金利は1.90%台まで低下。

 金は小幅に下落。原油は産油国が4月に生産維持に向けた会合を開くとの報道に大幅反発。前日比2ドル12セント上昇し38ドル46セントで取引を終える。

2月住宅着工件数  → 117.8万件

2月建設許可件数  → 116.7万件

2月消費者物価指数 → -0.2%

2月鉱工業生産   → -0.5%

 
ドル/円112.34 ~ 113.82

ユーロ/ドル1.1058 ~ 1.1244

ユーロ/円125.67 ~ 126.52

NYダウ  +74.23  → 17,325.76ドル

GOLD  -1.20 → 1,229.80ドル

WTI +2.12    → 38.46ドル

米10年国債 -0.062    → 1.908%

 
本日の注目イベント

豪   豪2月雇用統計
日   2月貿易収支
欧   ユーロ圏1月貿易収支
欧   ユーロ圏2月消費者物価指数(改定値)
英   BOE金融政策発表
米    新規失業保険申請件数
米   3月フィラデルフィア連銀景況指数
加   カナダ1月卸売売上高


 来年の消費税引き上げ延期の可能性もでてきたことから、ドル円では円売りが強まり、113円台後半までドルが上昇したものの、FOMC声明文が発表されると利上げのペースが減少することが示唆され、一転してドル売り円買いが強まりました。一時112円34銭までドル安が進みましたが、こ水準はこのところのレンジの下限に近く、NYの引けにかけてはドルがやや買い戻されて取引を終えています。

声明文では「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」と記述されています。注目されていた当局者の金利予測(ドット・チャート)では、2016年末の中央値で0.875%と、年2回の利上げを示唆するものとなっていました。前回12月の時点では1.375%と、4回の利上げを見込んでいたため金利見通しが下方修正されたことになります。

利上げを見送り、今年の利上げ回数の減少も示唆されたことで、株と債券が買われドルが売られ、市場は素直に声明文の内容に反応したと言えます。ただ株価の上昇と原油価格の上昇を考えると、ドル円はもう少しドル高に振れてもおかしくなかったという印象は残ります。インフレ率についても、イエレン議長は会見で、2-3年後には2%に上昇するとの認識をを示しており、1.7%まで上昇してきた足元のコアインフレ率は、エネルギー価格の影響が弱まったことを示していると述べています。

これで、先週から始まった日米欧3中銀の金融政策会合が全て終了しました。この会合をきっかけにドル円がレンジ相場を抜けるのではないかと期待していましたが、結局112~114円台半ばのレンジは維持されています。重要イベントを無事にこなした格好になりましたが、この先ドル円はさらに膠着感を強めてくる
かもしれません。

 本日も昨日に引き続き「国際金融経済分析会合」の2回目が開催されます。昨日のスティグリッツ教授の発言で、やや円安に振れる場面もあったように、本日はジョルゲンソンハーバード大学教授の意見が注目されます。安倍首相のブレーンと言われる浜田・本田両氏は、ともに消費税引き上げは延期すべしと述べています。7月には参院選もあり、「消費税引き上げ延期」の世論が徐々に盛り上がってきそうな雰囲気になってきました。安倍首相は「現時点では予定通り実施する」とは述べていますが、有名経済学者の「お墨付き」を得て、延期を決定することも考えられます。「消費増税延期」と「景気対策」がセットで発動されれば、円安材料になると考えています。

 本日のドル円はやや下値を試すと予想して、112円~113円50銭程度を見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)